こういう人が早世してしまうのは本当に残念【読書メモ】

モリカケ問題、セクハラ・パワハラ、老後資金報告書などなどなどなどなどなどなどなど。

溜息しか出ないような情けないニュースのオンパレード。

どれもこれも根源は保身に躍起になっている政治家オジサンたちの思考回路なのよね…と暗澹たる気分の毎日です。


私みたいなオバサンが田舎の片隅で嘆いていてもしかたないのですけどね。

でも自分の生きる社会のことですからね。

こどもたちの将来のことももちろん心配。

自分の子どもだけが勝ち抜けすればOKというのではなくね、将来の日本が健康的な社会であって欲しいと願うのですよ。



そんな気分にぴったりの本に出会いました。

今年1月に亡くなった橋本治さん。

私にとっては著作『桃尻娘』やファンキーな自作デザインのセーターを手編みするちょっと変わり者のお兄さんというイメージしかありませんでしたが、このような素晴らしい評論を書かれていたとは…。

気がつくのが遅すぎました。




『webちくま』に連載していた『遠い地平、低い視点』というコラムの2018年8月までをまとめたもの。


今の日本社会を本当に憂いていたのね。

正論を吠えるのではなく、ちょっと斜め目線で『僕はこう思うんだけだけどね』というスタンス。

それでいて大切なことがほわんと優しく書かれているの。素敵です。

賢くて優しい人だったのだな。


この本は、亡くなってから編まれたものではなく生前に企画されていたものだそう。

時系列順ではなくて内容に沿ってまとめてあるので、いろいろな話題があちこちから飛び出してくる感じです。

掲載の日付が添えられているので、『そういえば、あの頃こんな事があったよね』と自分の記憶を手繰りながら読みました。

たかだか2〜3年前のことなのに、すっかり記憶の彼方へ行ってしまっていることってたくさんありますね。

一時はマスコミで大騒ぎしてもすぐにその話題は消えて行ってしまいます。

自分の中でうまく消化できずにもやもやと感じていたたくさんのこと。世の中の流れに同意できない微妙な違和感の数々。

橋本さんが的確に表現されている言葉に『そうそうこういう事だよ!!!と思わず膝を叩きまくりです。

当たり前の市民感覚をもち、かつ上手に表現して伝えられる文筆家がこうも早く世を去ってしまうのは残念でなりません。



本書に掲載されていない最後の4回分(2018年9月【第51回】から2019年1月【第54回】)は『webちくま』で読めますよ。

【第51回】と【第52回】では闘病について触れています。

あのひょうひょうとした橋本さんが自分自身の病について半分茶化したような筆致で書いているの。

その中にどうにもならない悔しさのようなものが滲み出ていて思わず泣きたくなってしまいました。





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