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こたつには蜜柑、ストーブには干しいも

茨城県は『ほしいも』の生産日本一。

特にひたちなか市や東海村は有名な産地で、12月に入り乾燥した晴天が続くとあちらこちらにイモを干す景色が広がります。


ふだん見かける『紅あづま』のような皮の赤いサツマイモではなく、『玉ゆたか』『紅はるか』といった干し芋用の品種のお芋を蒸して1センチくらいの厚みにスライスしたものを網にのせて屋外で天日干しにするのです。


たいていの農家では春から秋にかけて芋を栽培し、冬になると収穫の終わった畑に屋根だけのビニールハウスを用意します。その下に蒸した芋をならべた網をずら〜っと並べます。足下のビニールのかかっていない部分とハウスの出入口にはカラスよけのネットがぶら下がっています。

我家では以前、この干しいも農家が密集する地域に住んでいたことがあり、春のイモ苗植えから秋の収穫、そして冬にずらりとイモが干されている様子は毎年毎年お馴染みの風景でした。

冬に子どもを散歩させていると近所の方に『おやつに食べな〜』と売り物にはならない端っこの方をよく頂いたものです。

できたてはやわらかくて本当に美味しい!数枚ずつパック詰めにして大型店で売っているようなもの(お値段もビックリするほど高い!)は、キッチリと乾燥させてあるため結構固いのですが、農家で直接分けて頂くのはもっと柔らかくねっとりとしているのです。

もちろん使う芋の品種によっても味や柔らかさは違ってくるのですが、ごく一般的な『玉ゆたか』の、しかも端っこの方でもちゃんと柔らかくて甘いんですよ。

今でも冬になると、そこの農家さんから直接購入して遠方に住む友人知人に贈っていて、今年も先日お願いしてきたところです。

お願いにいく時と引き取りに伺うときは、毎回お土産に端っこをたくさん持たせて下さり、子供たちはこれをとっても楽しみにしています。

小さいので子どものおやつにちょうど良い大きさ。ちょこちょこっとお茶と一緒につまむのにはもってこいです。


そのまま袋から食べることがほとんどですが、ストーブやオーブントースターで軽く温めると甘みが増す上に、表面がカリっとして一層美味しくなります。

ちょっと飽きてきたら、バターをひとかけら落としたフライパンで軽く焼くと洋菓子のような風味になるのでまた別の楽しみがありますよ。


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