武雄市立図書館問題、一気に燃え上がっている感がありますね。
2013年4月に、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者となってリニューアルオープンした武雄市立図書館。
TSUTAYAが図書館事業に参入というのは『さもありなん』ですが、当時何に驚いたかといえば図書館の利用カードにTポイントカードを使うということ。
Tポイントカードって、購入履歴が全部カルチュア・コンビニエンス・クラブに把握されてしまうわけで、自分の貸出履歴も把握されちゃうってことでしょ?
オープン当初、それとこれとは紐付けしないって言ってたような気もするけれど、どこかでこっそり使われてたら嫌よね。
公共図書館において、誰が何を借りているのかは貸出中のみ管理されていて、返却したらその記録は消えるということがとても重要なわけで、アナログで管理されていた時代から様々な方法が工夫されてきたのですよね。
それが、民間の営利企業に把握蓄積されてしまうなんてビックリ仰天です。
公共図書館としてオープン前からいろいろな懸念が取りざたされてきましたが、『民間の経営感覚を取り入れる』とか『費用削減』とかで押し切られてしまったようですね。
現在大きな問題になっているのは、リニューアルオープン時に購入した本のほとんどが、CCC傘下のネットオフから購入した時代遅れの中古本で選書がめちゃくちゃという点のようです。
その件について、ツイッターから火がついてテレビ朝日や日経新聞などでとりあげられたことで、武雄市やCCCから公式のコメントも発表されたようですね。
・武雄市図書館リニューアルオープン時の蔵書購入について【武雄市役所がお届けするたけおポータル2015.9.11】
・武雄市図書館の蔵書について【カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社2015.9.10】
このCCC社長のコメントの中でとても気になったのが↓このくだり。
追加納入蔵書について調査した結果、リニューアル開館から2015年9月9日までの約2年半で一度も借りられていない蔵書が1,630冊ある事が判明致しました。
別に一度も借りられていない蔵書があることが問題じゃないってわかっているんだろうか….。
リニューアル時に貴重な郷土資料を追いやってしまったという話も聞くし、なんだかなあ。
もしかしたら司書資格を持ったスタッフがいないとか!?
いくらなんでも、そんなはずはないですよね。
神奈川県の海老名市や愛知県小牧市、宮城県多賀城市、その他にも続々とCCCがからんだ公共図書館の計画が進んでいるそうですが、大丈夫なのかしら。
もちろん民間の経営感覚を取り入れることで、年中無休で開館時間も長いとかWEBサイトが見やすくて使いやすいなど、利用者にとって嬉しい部分がたくさんあるので一概に民間委託が悪いとは思いません。
むしろ、どんどん参考にしてお役所的な感覚から抜け出して欲しいのもやまやま。
私の住む自治体でも来年度から図書館に指定管理者制度が導入されるということなので、武雄市立図書館の問題は人ごとではありません。
税金を払う一般市民としては、なぜ公共図書館が必要なのかという基本の部分だけは外さないでほしいと願うばかりです。