孤独に浸る時間の大切さ【読書メモ】


  
児童サービス論の教科書の中で、子どもについて知るための理論書として推薦されていました。
  

子どもの社会性を極端に重んじる時代の風潮に対して、たったひとりでいる時間こそが重要であると述べた宗教的なエッセイ。児童図書館と直接関係はないが、子どもにとって本とは何かを考える上で、ぜひ読んで欲しい書である。
JLA図書館情報学シリーズ11「児童サービス論」P37より

  

原著はクエーカー教徒による宗教的なエッセイで、米国留学中にこの書物に出会ったという松岡享子さんの翻訳。
  
日本での出版に至った経緯は「訳者あとがき」に詳しく記されています。

  

松岡さんは児童文学研究者でご自身でも児童文学を書かれています。翻訳も多数あり、くまのパディントンシリーズやうさこちゃんシリーズなどロングセラーの絵本や児童書にその名前を見たことのある人は多いはず。
  
とにかく、石井桃子さんと並んで「こどもと本」についての第一人者であることは間違いありません。
  
  
  
『孤独』という言葉にはとかくマイナスなイメージがつきまといますが、著者は『孤独(ひとり)でいる時間(とき)』の積極的な意味を説いています。
  
それは子どもも大人も生活の中にひとりで過ごす時間を持つことが、自分自身を発見し成長させるのに不可欠なのだと。
  
子どもが自分の世界にたっぷりと浸る時間を大人は邪魔してはいけないのです。

  
  
原著が書かれた1962年からは既に60年近くが、この翻訳が出版されてからでさえ30年が過ぎていますが、この本の中で心配されている状況は改善されるどころか加速度的に効率が求められるようになっている現在。
  
  
我家も同様に『ボーッっとしている時間なんて無駄無!』といつも追い立てられているような気分で毎日を過ごしています。
  
自分の内面と静かに向き合い様々なことに思いをめぐらすための『大きな時間のかたまり』を享受できる環境とはほど遠い有様。
  
  
せめて子どものときくらい自分の世界に存分に浸らせてあげたいけれど、社会から振り落とされず生きていくためには要領の良さや効率的な振る舞いを要求せざるを得ないのが現実です。
  
  
  

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