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拘留中の村木厚子さんを支えた本【本の力】

先日、NHKの情報番組『あさイチ』プレミアムトークのコーナーに元厚生労働省事務次官の村木厚子さんが出演されていました

郵便不正事件で誤認逮捕され160日以上も拘留された後、実は担当検事が証拠を改ざんしていたことが判明し逆転無罪となった方。

旧帝大ではない地方の国立大学出身の女性が事務次官まで上り詰めるというだけでもびっくりなのに、入庁は男女雇用機会均等法の施行前。

実家は遠方でふたりのお子さんの子育ては夫婦ふたりで…という、どこをとっても溜息が出る様なスーパーウーマンです。

それなのに、端から見る分にはそんなバリバリぶりをちっとも感じさせないほわ〜んとした雰囲気で全く嫌味を感じさせません。

トーク前半は拘留中のご家族とのやりとりや拘置所内で読んだ本の話などが紹介され、大変印象的なお話がてんこもりでした。

拘留中に150冊ぐらい読んだという本の中で心に残った本ととして紹介された2冊がこちら。





『花さき山』は滝平二郎の美しい切り絵で有名な絵本。

村人が何か良いことをすると山の麓に花がひとつ咲くという言い伝えを聞いた貧しい家の娘が、新しい着物を母にせがむ妹のために自分は辛抱する…という自己犠牲の物語。

この自己犠牲の話については今の時代賛否両論あるのでおいておきますが、村木さんがなぜこの話に救われたのかというのが印象に残ったのです。

このお話の中で、主人公の少女は具体的に『よいこと』をしたのではなくて心の中で辛抱した。

それでも花が咲くのなら自分は励ましてくれる家族や友人に何か形になる行為で恩返しすることを考えなくてもよいのではないか。

今の自分はなにもできない拘置所の中で無実を信じて頑張っている、元気に過ごしているということを感謝とともに手紙で伝えれば良いじゃないか…ということに気づかされて心が楽になったというのです。

この『花さき山』の物語は自己犠牲の部分にばかりが注目されがちですが、読む人の状況によってはそういう受取り方もあるのかととても新鮮に感じました。


もう1冊の『一日一生』についても似た様なことを感じました。

『一日が一生だと思って生きろ』という言葉は、『昨日も、明日もないと思って、あたかも一生のように毎日を精一杯生きろ』ということなのかと私は想像するのですが、村木さんは『この辛い毎日、とにかく今日一日をなんとかやりすごせばいいんだ』と受け止めて励まされたとのこと。

もしかしたら、村木さんが普段の生活の中でこれらの本に出会っていたら受け止め方は違ったものだったのかもしれません。

全く身に覚えのないことで突然逮捕され、白を黒と言うことを強要される。何を言っても信じてもらえない。いつまで拘留されるのかもわからないという全く先の見えない状況に置かれるのがどれほど過酷なことなのか。

『二度と味わいたくはないけれど得難い経験だった』という言葉には本当に重みを感じます。

彼女の体験したことに衝撃を感じるとともに、一冊の本の持つ力や可能性の大きさを改めて感じさせられたトークでした。


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