先日『キレる老人』という言葉を耳にしました。
ググってみると最近ホットな話題のようで週刊東洋経済の3月号でも特集が組まれていたり、本も出ていますね。
私も接客のアルバイトを始めてからというもの理不尽な態度の中高年男性に遭遇した経験が度々あります。その話を家族にすると、オットはボランティア活動などで一緒になるご婦人方から同じような話を聞かされていたり、子どもの友人達もアルバイト先で同じような経験をしているようで、多くの人が感じているんだなあという印象です。
私自身は『キレる』とか『暴走』というほど激しい例を経験したわけではないのですが、60代〜70代の男性の態度の悪さにビックリすることは度々です。
カウンターに物を投げるように持って来て、こちらの対応には終始無言もしくは吐き捨てるように「フンッ」と言う感じの返事のみで、ひったくるように物を持って立ち去る。
それだけならまだ良い方で、尋ねてきたことに対する回答が自分の都合悪い結果だと文句を言う(これをクレーマーと言うのでしょうかね)。
こちらとしては対処のしようがないことでグチグチ文句を言うので、『上の者をよびましょうか?』というとそれには及ばないと応えながらも、またグチグチ。
そのようなときは、『自分より弱い立場の人間に文句を言いたいだけなのだな..』と程々に相づちをうちながら黙って最後まで聞くことにしています。
年代的には60代〜70代とかなり狭い範囲に納まっていることと例外なく男性ということで、私なりに原因を考えてみました。
60〜70歳というと戦後の昭和20年代に生まれ(いわゆる「団塊世代」ですね)、高度成長期に育ち成人した後は企業戦士として定年まで働き詰めに働いてきた方々。
小さい頃は母親が細々と世話を焼いてくれて男は女より上という価値観の中で育てられ、結婚してからは専業主婦の奥さん、会社では若い女子社員が尽くしてくれたのでしょう。
しかしながら定年して近所のコンビニや役所や公共施設に行ってみるとどうも勝手が違う。
「自分のことは自分で」と育てられた40〜50代より若い人たちと同じような行動はできないわけで、見知らぬ相手と穏やかなコミュニケーションをとることが苦手なのでしょう。
戦後50年間くらいは「国」や「会社」や「まわり」が個人をフォローする世の中だったのに対し、最近の若者達は自分自身に非が無いように自己責任という言葉におびえながら生きているかの違いと言い換えてもよいのかしら。
その横柄な物腰は特に女性に対して顕著で、さらに言えば年齢が若い「女の子」になるほどイヤな態度が肥大化している印象です。
明らかに「格下」のはずの人間に穏やかに挨拶をしたり、『お願いします』と言いながら物を手渡すなどという気遣いをする必要がないままに生きてきてしまったのだろうなあ、と感じます。
脳の老化によって感情をコントロールしにくくなることが原因という分析もあるので、向き合う側としても中高年の心身の衰えに対して配慮する心遣いは必要かもしれませんが、同じような年齢の女の方でそのような行動をする人にはあまりお目にかからないので、私としてはどうしても社会学的な原因の方ばかり考えてしまうのですけどね。
もちろん同じ世代の男性でも紳士的なおじさまもいらっしゃるので、世代論だけでひとくくりにするのは良くないのでしょうが、同じような年齢でも男性が目につくこと、逆に男性でも若い方で横柄な態度の方はいまのところ印象にないので、こんな推察をしてみた次第です。
冒頭でにリンクを貼った「週刊東洋経済3月号」が近所の図書館にあるようなので、ちょっと読んでみようと思います。