社会の変化の早さと教育のミスマッチに嘆いた昨日に引き続き、今朝はちょうどこんな文章を見つけました。
内田センセイのブログより『受験生の皆さんへ』
タイトルには『受験生』とありますが、受験が終わってしまった大学生も中・高生(もちろん理解できるなら小学生でも)その親たちも読んで損はありません。
激変の社会に教育が全く追いついていないどころか、むしろ30年前に比べて劣化しているという話です。
しかもそれをイギリス・アメリカなどの海外メディアがせっせと報じているというのです。
これまでのような自然科学分野における貢献を今後の日本に期待できなくなっていると海外のサイエンティストたちが悲しんでいる、というなんとも切ない表現。
30年前といえば私達世代が大学生。たしかにバブル景気の恩恵は学生にも降り注いでいた時代。大学のレジャーランド化と嘆かれていた時代です。
そんな時代よりも劣化している!?
海外からデータを突きつけられないと私達はそんなことさえ知り得ない状況と言うのも困ったもんです。
これから少子高齢化が劇的に進みAIが発達していく時代の雇用については想像のしようがなく、我々大人は子ども達にどうアドバイスしてよいかさえわかりません。
我家でも、これから就職について考えようとしている上の子、進学について真剣に考えるタイミングの下の子にかける言葉をみつけることができません。
というか、時代が全く変わってしまった今、私達が余計なことは言わない方がよいとさえ感じています。
そんな私達の『どうしたら良いの!?』という悲痛な嘆きに内田センセイからはこのようなアドヴァイス。ちょっと長いけれど引用します(一部私が改行しています)。
じゃあ、どうすればいいんだ、と悲痛な声が上がると思います。上がって当然です。
分かっているのは「こうすればうまくゆく」というシンプルな解は存在しないということです。初めて経験する状況ですから成功事例というものがない。
生き延びる方途はみなさんが自力で見つけるか創り出すなりするしかない。
書物やメディアで必要な情報を集め、事情に通じていそうな人に相談し、アドバイスに耳を傾け、分析し、解釈して、生きる道を決定するしかありません。
そして、その選択の成否については自分で責任を取るしかない。誰もみなさんに代わって「人生の選択を誤った」ことの責任を取ってはくれません。
どのような専門的な知識や技能を手につけたらよいのかを判断をする時にこれまでは「決して食いっぱぐれがない」とか「安定した地位や収入が期待できるから」という経験則に従うことができました。
これからはそれができない。
日本の産業構造や雇用状況はこれから少子化高齢化とAIの導入で激変することが確実だからです。でも、どの産業セクターが、いつ、どのようなかたちで雇用空洞化に遭遇するかは誰も予測できない。
ですから、僕からみなさんにお勧めすることはとりあえず一つだけです。それは「学びたいことを学ぶ。身につけたい技術を身につける」ということです。
「やりたくはないけれど、やると食えそうだから」といった小賢しい算盤を弾かない。「やりたいこと」だけにフォーカスする。それは自分がしたいことをしている時に人間のパフォーマンスは最も高まるからです。
生きる知恵と力を最大化しておかないと生き延びることが難しい時代にみなさんは踏み込むのです。