今朝のNHKあさイチのテーマは『子どもの授業が激変!2018教育改革最前線』。
『知っていますか教育改革』ということで文科省が力を入れ始めた『アクティブラーニング』って何?、とかこれから国の教育はどこを向いて行くの?なんて話がテーマでした。
みんなの意見が一致するのは、とにかく自分で考えてアウトプットできるような大人になるための教育は大事だよね、ということ。
その方法となると様々な意見や疑問が噴出してきます。
考える力を育てるための方法のひとつがアクティブラーニングだというだけなのに、このままではアクティブラーニングそのものが目的化してしまいそうな勢いですね。
考えろ!アウトプット!ばかり言っていると『知識を覚える勉強は必要なし』と思いがちですが、そんなことはやはりないのよね。
ゲストの羽根拓也さん(人材開発プロデューサー)がおっしゃるには、『知識のインプットはもちろん大事』。
いままでインプットに偏りすぎていたのをアウトプットする練習もしてバランスをとろうよ、ということですと何度もおっしゃっていましたよ。
やはり思考するベースとしての知識は必要だよね。
教育制度を考える側にとっては基本的なことがインプットされていること、もしくはネットなどで情報をさささっっと得られるというのが大前提なのね、きっと。
そこのところを教育の末端にいる先生や保護者、そして当事者である子どもたちに大きな声で伝えてくれないと、トンチンカンなことになってしまうと思う。
ところで我家の上の子はゆとり教育世代。中学生の時に『脱ゆとり』に移行した記憶があります。
上の子が生まれて間もなくの頃に、詰め込み教育から脱却し考える力を重視する『総合学習』が取り入れられると知り、そりゃあ素晴らしい!と思ったものですが実際にその成果が上がったのかどうかは疑問です。
小学校では『総合』の時間に調べ学習や学級活動などをしていたようですが、一方の図工や家庭科ではキットの教材を使うというアンバランスさ。
私が小中学校の頃は、布などの材料を自分で用意しゼロから制作したのでかなり考える力が必要とされたと思いますよ。
それが今じゃ、必要なサイズに裁断された布や紐が全て入った市販の教材を使い、あとはミシンで縫うだけの超お手軽お裁縫。工作も同様。
個人的なアレンジは、せいぜい接着剤が予め貼ってあるフェルトを切り抜いてアイロンで貼るアップリケとかね。
子どもに考える力生きる力を身につけさせることが言われているのに、何故?と本当に不思議でした。
親が材料を揃える負担への気遣いもあるでしょうし、授業の進めやすさの点では同じ教材を全員が持っている方が先生もやりやすい。
でも考える力を身につけさせるためのゆとり教育なら、主要教科を削った時間で、必要な材料のことを考え、予算を立て、お買い物をして、材料を無駄のないように裁断して仕上げる…というプロセスはとっても良い教材だと思うのですけどね…。
その過程で図書室やインターネットを利用した調べ学習をすれば、先生に与えられたことを調べて書き写すだけなんていう本末転倒な調べ学習をしなくてもいいんじゃないのかしら。
カリキュラムの都合なのか先生の資質なのかはわかりませんが、どうも公立学校でそういうことはできないみたいね。
いつだって政府の考える大きな目標自体はとても素晴らしいんです。
でも現場の先生の負担や学校の実情、それぞれの家庭の事情などが積み重なっていくうちに、その理想からはほど遠いところに向かっていってしまう。
それを避けようとしたら、親がなんとかするか優秀な先生が揃った中高一貫校に行くしかないのでしょうね。
結局はこんなところにも家庭環境の格差が影響してしまうのね。
エライ方たちが理想の教育を求めて制度や教育要領を考えても、結局は絵に描いた餅。
ゆとり教育にしても脱ゆとりにしても、なぜその成果が出ないのかをよくよく検証しないで制度ばかりコロコロ変えたって、現場や家庭が混乱するだけ。
いつまでたっても子どもの力は変わらないどころか不安ばかりが大きくなってしまうと思う。
2020年の大学入試改革、共通一次試験〜センター試験と40年も続いてきたものがどう変わるのか。
下の子がその波をモロにかぶるので今から心配しています。