『図書館文化史』のレポートを書いているところです。
紙以前の記録メディアについてというお題なのですが、指定教科書と以前読んだ資料だけでは参考文献が少ないことに気づき慌てて追加で探しているところ。
指定教科書はこちら↓
古代図書館で有名な粘土板やエジプトのパピルス、羊皮紙についての記述はわりとたくさんあるのだけど、その他の素材についてはちらっと触れてある程度なので、いざ纏めようとするとなんか足りないの。
新たに目を通した『図書館文化史』レポート用の参考文献を纏めておきます。
「東洋」「日本」「オリエント」「西洋」の書物史についてそれぞれの分野の専門家が書いているので、時代背景・素材・形態などについて地域ごとに時代を追って纏められています。地域ごとの歴史なので、メディア素材そのものについては章をまたいで同じ素材の説明が出てきたりします。
「図書館」という仕組みについてかなり本格的に書かれている上に写真が豊富な本でした。この分厚さで全ページフルカラーという贅沢さ!
古代の図書館について書かれた章では、粘土板・蝋板やパピルス・羊皮紙など記録メディアやそれに伴う特徴ある形態との関わりについての解説も豊富。
ルネサンス期や植民地時代の北アメリカ、アメリカの独立以降からの図書館発展についても、教科書的というよりは読み物としてとても面白く読めてオススメの1冊。翻訳がいいのかも。
今は必要なところだけ拾い読みをしている状態ですが、時間のあるときにゆっくりと読みたい。
こちらは図版が豊富で文章は少なめ。テーマは『本』や『読書』について広く浅くという印象ですがパラパラとめくっているだけでも楽しい。
教科書的な本では小さなモノクロ写真になりがちな写真がとても大きく掲載されているので、中世のアルファベットの特徴や日本で初めて作られた銅の活字(徳川家康の駿河版)なども詳細に見ることができます。
こちらも図版が豊富。他の本に比べて取り上げられている時代が限定的で、手書き写本の時代〜15世紀の活版印刷の発明〜18世紀が中心。
中世の写字生や出版事情に関する記述が多く、「書物を複製し広める」という視点で書かれている印象でした。
ちょっと古い本。文字のみ、しかも細かい。
それもそのはず1954年刊行の原著を翻訳した初版は1955年。翻訳の見直しなどを行った改訂版として1992年に出されたのがこれ。
新書サイズの小冊子という体裁ではありますが、書物とは何か、文明にとっての役割と影響をじっくりと考えさせてくれる良書だと思います。
落ち着いた言葉遣いやじっくり読ませる文体に触れていると、襟を正して勉強せねばという気持ちにさせられますね。
軽くて小さいのでバッグにしのばせて出先で細かい時間を過ごすのには最適ですが、レポートのために慌てて読むのにはちょっと向かないかも…。
その他参考になるWEBページ。
The BritishMuseum The Library of Ashurbanipal
書物の歴史
羊皮紙工房
古代アレクサンドレア探訪


