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蒐集の楽しみ『ヴンダーカンマー』【読書メモ】

『ヴンダーカンマー』という言葉、はじめて知りました。



『ヴンダー』とはドイツ語で『不思議』(英語のワンダー)、『カンマー』は『部屋』。直訳すれば『不思議の部屋』ということらしいです。

16世紀〜18世紀にかけて、イタリア〜ドイツ〜オーストリアを中心とするヨーロッパでは、世界中から蒐集した珍しい物を陳列する部屋をもつことが大変流行し、これを『ヴンダーカンマー』とよんだのだそうです。

それにしてもの本、タイトルや表紙の写真からして怪しげな雰囲気がプンプン。

豊富なカラー写真からは、貴族や支配階級の人々がお金にものを言わせ世界中から珍奇なものを集めまくり、秘密めいた部屋にずらりと並べてそのコレクションを満足げに眺めていたであろう雰囲気がビシビシと伝わってきます。

現代の博物館の元祖ということですが、当時は系統だった分類などもされていなかったようです。

遠い国の珍しい物を集めて他人に見せることが冨と権力を誇示する手法のひとつだったのでしょう。


珍品コレクションとしてのヴンダーカンマーはやがて廃れてしまいますが、植物だけ、昆虫だけ、のようにある種のコレクションを追求し分類まで手掛けるタイプの蒐集家も中にはいたようで、そのようなヴンダーカンマーは自然科学の研究にも貢献したようです。

時代の移り変わりとともに、職人に手の込んだキャビネットを作らせ趣味の良い展示に変わっていく様子なども解説されています。

著者はドイツ文学とヨーロッパ文化史が専門とのことで筆者自身が取材旅行中に撮影した多くの写真をもとにした解説はかなり専門的。

世界史が苦手な私には時代背景などの解説はちっとも頭に入ってこないのですが、「げげげ〜っ!」と目を覆いたくなるゲテモノ的コレクションから目を見張る様な幻想的な細工物まで、写真をパラパラっと眺めるだけでもおなかいっぱいになる1冊でした。


巻末には参考文献とあわせ、現存するヴンダーカンマー関連施設の所在地情報が地図とともに掲載されています。


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