6年生へのよみきかせ当番でした。
12月なので何かクリスマスものをと思い、少し大人っぽい内容のこちらを選びました。
クリスマスイブの夜、不思議な体験をした少年のおはなしです。横長の紙面見開きをいっぱいに使った落ち着いたトーンの絵、文章は村上春樹氏の訳でこちらも落ち着いたトーンの言葉遣いで綴られています。
全体の文章量が結構多いので、15分の持ち時間ぎりぎり使ってしまいました。普段は、読む前や読んだあとにひとことふたこと子供たちに言葉をかけるのですが、今回は挨拶をしたらすっとタイトル・作者名を紹介し読みはじめます。低めの声で落ち着いた調子で読むように心がけました。
かなり子どもっぽい男子が多いクラス。本の表紙を見せたあともふざけて茶化す声が聞こえましたが、今日は敢えて無視し強引にスタート。
コルデット賞を受賞した作品ということで、絵もストーリーも素晴らしいのはもちろんなのですが、翻訳もいいなあと思いました。
村上春樹氏の言葉には力があって、ぐっと惹き付けられるものがあります。
次第にふざけていた男の子達も最初の数ページあたりで物語の世界に入ってきた様子が感じられました。
高学年向けの本選びには頭を悩ますことが多く、特にクリスマスのお話となるとすぐに思いつかなかったのですが、家にあってもあまり手にとったことのないこの本の良さを改めて知る機会になりました。