かつて『日本一の文化都市』を目指した市長がいた

私の住む自治体には、書物と音楽を愛した素敵な市長さんがいたんです。
 
今から30年以上も昔に『地方からの改革』を掲げ43歳という若さで市長に当選。
 
その後、3期目の任期中に退任し県知事選に出馬。
 
残念ながら県知事選には破れてしまいましたが、市長時代の業績が本当にすばらしかった。
 
『日本一の文化都市にしよう』という政策を掲げ、図書館ネットワークの充実や水戸芸術館の建設を実現されました。
 
市の予算の1%を館の運営にあてることとし、専属の室内楽団と指揮者を擁するという素晴らしい構想を実現させたのです。
 
所謂『貸しホール』は一切せず全てが館独自の企画による公演というの開館当時から今でもかわりません。
 
数年がかりで吉田秀和氏を口説き落とし初代館長に就任して頂いたことや、専属指揮者として小沢征爾さんを招聘したことでも知られています。
 
 
 
 
知事選に敗れた直後に病気で亡くなりましたが、まだ55歳という若さでした。
 
昨今の貧しい文教政策を嘆き、今でも大勢の人が『あの市長が生きておられたら….』と口にしています。
 
 
私も最近その思いが強く、改めて著書や追悼文集などを読み返しています。
 
 
 
読書文化の復権を / 佐川一信著
 
水戸発地方からの改革 / 佐川一信著
 
水戸の―空・風・人 / 吉田 秀和/著
 
声低く語れ / 佐川一信追悼集刊行会編集
 
 
 
調べてみたらAmazonでは売っていないものばかりですね。
 
『日本の古本屋』というサイトで見つかるものもあります。
 
もちろん、地元である水戸市立図書館や茨城県立図書館には所蔵がありますので、お近くの図書館を通して相互貸借で借りることも出来ますよ。
 
 
 
 
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バスチーって知ってる?【バスク地方】

昨夜遅く帰宅した上のムスメが『かーちゃんが好きそうなおやつ、冷蔵庫に入れておくから食べていいよ〜』。
 
オットと『なにこれ!?ばすちー?』『チーズケーキだよ』などと会話しているのをうつらうつらしながら聞いてはいたのですが….。
 
どれどれと早速今朝のぞいて見ると『バスチー』という商品名のコンビニスイーツのようです。
 
 
チーズケーキが大好物の私、朝ご飯も食べる前から、早速いただいちゃいましたよ。
 
 
まあそのおいしいこと!!!
 
 
ニューヨークチーズケーキのようなしっとりねっとりなのですが、口あたりはふわっとしていて甘さもコクも申し分なし。
 
最近のコンビニスーツはホントあなどれないねえ。
 
 
 
どこの商品かとググってみるとローソンの新商品で、バスク地方で広く食べられているチーズケーキをアレンジしたものだそう。
 
爆売れしているそうよ。知らなかったわ。
 
 
『爆売れ「バスチー」って何なの? ローソン史上最速で100万個を突破』
 
 
 
 
 
バスクはスペイン・フランスの国境の付近の地域で、バスク語をはじめとする独自の文化を持つ地方。
 
独立運動・スペイン内戦・ゲルニカ爆撃といった歴史のイメージが強くて、『バスク』という言葉を聞くと私はちょっと切なくなる。
 
20代の頃にスペイン語を教わった先生がバスク出身の方で、バスクについていろいろ話してくださいました。
 
私にとっては学校で教わった覚えも全くない初めて知るヨーロッパの重い歴史。
 
しかもスペイン語超初心者の私。英語や日本語を交えながらの会話では詳しいことがよく理解できなかったんだよね。
 
バスク人であることの誇りや、彼らの地域がフランス・スペインの二つの国に分断されてしまっていることを憂える気持ちだけは熱く伝わってきたことを思い出します。
 
 
 
 
チーズケーキとは全く関係ありませんが、バスク・ゲルニカというと思い浮かぶのがこちらの本。
 
現在と過去を行き来しながら歴史と美術が絡み合って展開する原田マハさんの小説です。
 
事実とフィクションの境目がわからない不思議な感覚とスピード感のある展開。
 
ちょっと分量はあるけれど、絶対オススメ。
 

暗幕のゲルニカ (新潮文庫)
原田 マハ
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並外れた情熱で舞台芸術を愛した人の孤独な人生【読書メモ】

久々に本を読んで深い感動を味わいました。
 
 
戦後の日本に世界一流のバレエダンサーや歌劇団を招聘するためにどれほどの苦労があったのか。
 
そして、その実現のためにこれほどまでも情熱と信念に突き動かされていた人がいたのだということ。
 
 
 
この本は1933年(昭和8年)生まれの佐々木忠次という凄腕の興行師の生涯を綴った伝記です。
 
エピソードのひとつひとつがとにかく凄い。
 
もちろんこのような尖った方には敵も味方も多かったのでしょうが、とにかく世界のビッグネームと関わりが次から次から出てくるのです。
 
特に私の世代にとっては垂涎もののアーティストばかり。
 
学生の頃、高嶺の花だった公演のほとんどがこの人の手によるものだったとは本当に驚きです。
 
 
凡人には想像もつかないような確かな目とカンに加え、決して決してあきらめない粘り強さのおかげで、今の私たちが世界一流の舞台芸術に触れるられているのだと感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
 
 
 
 
様々なエピソードが書かれているのですが、日本のお役人達がいかに芸術への理解がなかったかという話も大変印象的。
 
パリオペラ座が外国のバレエ団に初めて公演の門戸を開いたのが、佐々木忠次率いる東京バレエ団だったことも初めて知りましたが、それほどまでの栄誉に対して現地の日本大使館からは何の反応もなかったこと。
 
同じイベントに参加するヨーロッパの他の国は、自国の駐在大使どころかお国の王族方が国境を越えてお出ましになるほどのビッグイベントだというのに、日本大使館は主催団体からの要請事項さえもまったく無視。
 
『どうなっているんだ?』と主催者に訊ねられた佐々木さんが本当に恥ずかしく情けない思いをしたというエピソードも….。
 
 
 
 
 
余談ですが、1997年に鳴りもの入でオープンした新国立劇場が『国立』な割ににパッとしないなあと感じていたのですが、その理由というのも文化芸術をまったく理解しない政治家と役人主導でこねくりまわされた結果だったいうのも、この本の中のエピソードを読んでいるとよくわかります。
 
 
 
文化芸術に予算がつかないのは国レベルだけではなく、私の住む自治体でも全く同じ。
 
効果を数字で表せないものや腹を満たさないものにはお金を出さない。仮にお金を出したとしても、わかりもしないことに口を出しまくり….とかね。
 
日本は経済的には世界でも指折りの大国になったというのに、文化芸術面はお粗末なままなんだねえ。
 
 

孤独な祝祭 佐々木忠次 バレエとオペラで世界と闘った日本人
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ころべばいいのに!って思っちゃうイヤな自分への処方箋【読書メモ】

久々にヨシタケシンスケさんの絵本を購入。
 
 

ころべばいいのに
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これ、いいなあ。
 
『りんごかもしれない』や『ぼくのにせものをつくるには』は、自分の存在について考える哲学的なお話でしたが、これは小学生女子が自分と他者の関係や自分のココロの取り扱い方を考えるうちに….
 
 
自分の心の持ちようをかえてみたらいいんじゃん!
 
とか
 
どうしようもなく嫌な時はそこから避難すればばいいんじゃん!
 
 
という発想に至るの。
 
 
嫌いな人は苦手な人にたいして誰もが抱くネガティブな感情。それに対処するする自分なりの方法を見つけていくプロセスがヨシタケ流でなんともいえずいいのよ。
 
 
小さな気づきだけど本質をついていることばかり。
 
自分の心を一番よくわかっているのは自分だし、苦しい自分を楽にしてあげられるのも結局は自分だけなんだよねえ…と思わされます。
 
 
 
 
近年はネットという手軽でスピーディーな発信ツールが発達したせいか、自分のネガティブな感情を他者への同調圧力や人格攻撃という形に変化させる様に驚かされることばかり。
 
SNS上で繰り広げられる過激な他者攻撃もそうだし、実生活でも『白か黒か!』とか『反対なの賛成なの、あんたどっちの味方!?』とか、『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』式に、ある部分での意見が違うだけの人を全否定しちゃうような雰囲気ね。
 
 
 
もちろん他者へのネガティブな感情は私だってたくさん持っていますよ、。
 
でもね、瞬間湯沸かし器のように後先考えず口にしたりSNSで広めたりっていうのはどうなのよ?と思うわけです。
 
人それぞれの事情や人生の背景があって、同じ物を見ていても見る方向が正反対だったりするわけだからね。
 
ひと呼吸おいて、相手の事情に少し思いを寄せてみたら違うものが見えてくるかもしれない。
 
 
 
 
今の日本は経済的に下降曲線だったり格差の広がりが大きくなっていたりで、不遇感を持っている人が急激に増えているのかと思うの。
 
その不遇感を他者を恨んだり妬んだり攻撃することで解決する空気に、ヨシタケ流で警鐘をならしているのかなあ?と思わされます。
 
 
 
小学生低学年だと少し難しいかもしれないけれど、子どもから大人までその年齢なりに得るものがたくさんある絵本だと感じました。
 
 
 
 
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戦後史とジェンダー【読書メモ】

読書メモ【勉強編】
 
 
 

戦後史とジェンダー
戦後史とジェンダー

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夏は戦争の時代に思いを馳せることが多いね。
 
女性視点の戦後史を手にとりました。
 
分厚い本ではありますが、いくつかのメディアに寄稿したものをテーマごとにまとめたものなので、気になったところから拾い読みしつつ読み進めています。
 
 
 
 
 

生きるための図書館: 一人ひとりのために (岩波新書)
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こちらは司書資格の勉強をしていた頃に読みたかった内容でした。
 
『図書館サービス論』や『児童サービス論』、『図書館史』『図書館経営論』などのエッセンスをギュッとまとめたような内容なので、司書の勉強中の方にはいいかも。
 
 
著者は戦後日本の図書館黎明期に図書館界を背負ってきた方で、図書館の理想像を真正面から論じているところはかなり教科書的。
 
新書なんだから、専門職としての司書が根付かないどころか図書館行政がどんどん貧しいものになっているという現実への問題提起や解決策の提言がもっと欲しかったなあ。
 
大学教授の退官記念著書のような印象であまり新しい視点がなく、ちょっと期待はずれでした。
 
 
 
 
 
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