図書館員のおすすめ本

日本図書館協会のwebサイトをつらつらと眺めていたらこんなページを発見。
 
「図書館員のおすすめ本」の一覧
 
日本図書館協会の機関紙『図書館雑誌』掲載された現役図書館員による本の紹介。2016年10月分から毎月4冊程度紹介されています。
 
気になるタイトルをいくつか読んでみたところ、新聞などの書評と違い図書館員ならではの経験が折込まれた文章なのが面白いです。
 
紹介されている本のジャンルも多岐にわたっていて、どれもこれも読んでみたくなっちゃう。
 
 
こういう素敵な紹介文を書けるようになりたいものです(憧)
 

絶対に読まなければならない本がそこにある【スクーリング追記と読書メモ】

今回のスクーリングでは担当講師がたくさんの参考資料を持ってきてくださいました。
 
ご自身の蔵書だということで自宅から持ってこられたそうです。20冊以上あったと思うのですが既に記憶から抜け落ちているもの多数…。
 
『自由に手にとって読んでみてください。講義終了後〜翌日講義開始までの一夜限定の貸出しも可能ですよ』と。
 
既に読んだことのあるものも多かったのですが『おおおっ!!』と思ったのは↓こちらの本。


前川恒雄さんの日野時代のエピソードはいろいろな本に書かれていて目にする機会も多いですが、滋賀県立図書館長時代の話に触れたことが私はありませんでした。
 
最近出たばかりの本なので図書館でも置いてあるとは思いましたが、あまりにも興味を惹かれてしまったので一晩お借りして通学の電車内でイッキ読み。
 
当時の滋賀県知事から強く請われて県立図書館長に就任したことや、その後県内の公立図書館を設置する際に全国から優秀な人をスカウトしたという話、その前川チルドレン達の活躍ぶり。驚くようなエピソードが盛りだくさんで大変面白かったです。
 
 
 

↑これ絶版なんだそうです。そんなに古いものでもないのにね。早速地元の図書館で借りて読んでいますが面白いです。
 
ちょっと文字が小さいところが玉に傷ですが、図書館員の立場でも建築家の立場でも、どちらから読んでも素晴らしい本だと思いましたよ。
 
 

『情報資源概論』のレポート書く時に参考資料として借りて読んだことがありますが、今回のシラバスに『「図書館の自由」に関する演習』とあったのでスクーリング前にもう一度目を通さなくちゃ!と思っていたのでした。
 
ところが、以前借りた県立図書館まで行くのが億劫でうだうだしているうちに読まずじまい。
 
先生が並べてくれた本の中にコレを見つけてあわてて手にとり、気になっていた部分を読み返しました。
 
折りに触れて読み返す必要があるなあと感じる1冊。持っていたい気もするけれど、買うにはちょっと高いんだよねえ…。
 
1997年版と2008年版があり、2008年版には2004年以降の事例が新たに加わっているそうです。
Amazonでで探すと高額の中古本しか出てきませんが日本図書館協会では2008年版買えるみたいですよ。

著者・編者:日本図書館協会図書館の自由委員会編
発行:日本図書館協会
発行年:2008.09
判型:A5
頁数:279p
ISBN:978-4-8204-0812-3 本体価格:2,500円
内容:1997年に刊行した『図書館の自由に関する事例33選』に続く,1992年から2004年までの図書館と自由をめぐる事例32件を収録する。関連年表も充実した。今回収録した事例には,出版禁止や事件報道にかかわる資料の提供問題などが多く見られた。本書を活用して,過去の事例に学び,利用者の立場に立った判断ができるように備えたい。

 
 
 
その他にはこんな本が並んでいました。若干記憶が曖昧ですがだいたいはあっていると思う..。
 


↑先日【読書メモ】にメモったコミックス。
 
 

 
 


↑『日本の図書館の歴史を学ぶ上では外せない名著が、当時の貴重な写真と新たなあとがきを加えて復刊』(紹介文より)
 
 

 
 

↑これもAmazonでは中古しかないですね、絶版状態らしいです。買っといてよかった〜。NHK出版よ重版希望!!!!!!
 
 

 
 

 
 

 
 

このシリーズも何冊かあったような…。
 
 
そうそう、配布プリントに多数の本が紹介されていたのであとで確認してみなくては。
 
 
 
 

戦争とゲルニカと広島と【読書メモ】


  
久々にイッキ読みの小説でした。

  
ピカソの『ゲルニカ』を軸に現代と過去が交互に描かれ、どんどん混ざり合い最後には衝撃的に繋がります。
  
史実とフィクションが巧みに混ざり合いすごく不思議な感覚。
  
読み終わってから調べてみたところ、『ゲルニカ』が制作された時代や制作過程、戦後長いことニューヨーク近代美術館(MoMA)に保管されていたことなど、絵画そのもののヒストリーは事実に基づいているようです。
  
そしてこの小説の始まりである重要な場面なのですが
  
「2003年にアメリカがイラク空爆に踏み切るという会見を時の国務長官が国連安保理会議場ロビーで行った際、背景にあるはずのゲルニカのタペストリーに暗幕が掛けられていた」
  
というのが史実であったことが衝撃的でした。
  
  
  
作者の原田マハさんは、後にそのタペストリーをスイスの美術館で見たそうです。
  
暗幕が書けられたタペストリーの前で会見する国務長官の写真と「ピカソの真のメッセージは暗幕などでは決して隠せない。誰かがピカソのメッセージに暗幕を掛けたのであれば、私がそれを引きはがすまでだ」というメッセーが添えられて。

  

この小説に関して、原田マハさんへのインタビュー記事がこちらに掲載されています。
  
  
  

この文章を書いているタイミングで、広島の平和記念式典が始まりました。
  
1937年に空爆を受けたスペインのゲルニカと1945年に原子爆弾を投下された広島が重なって目に映るような気がします。  
  
  

「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす…って随分煽ったものだね【読書メモ】

これは読む人の立場によってかなり賛否が分かれそう。
  

ネタもとはいくつかのデータと著者(と留学していたお子さん)の海外経験、日本で暮らす外国人友達の発言。
  
「イギリスの朝食は..」「フランスのご夫婦は..」「アメリカのお弁当は」「シンガポールでは屋台で朝食があたりまえ」などなど、とにかく海外の事例の多いこと。
  
正直『だから何?』って思ってしまいました。
  
『海外と比べて日本は劣っている』式の言い方が延々と続くものだからちょっと辟易。
  
  
  
まあそれでも言いたいことはなんとなくわかるし、もっともらしいデータも並んでいるし…と最後まで読みましたが何か納得できない。
  
というか、すっきりしない、結局のところ何が言いたいのかよくわからず。
  
  
仕事と家事、どちらも完璧にこなそうとしなくていいのだよ…ということを言いたいのなら、『丁寧な暮らし』の切り捨てを勧めるような事例をそんなに並べなくてもよいと思うのです。
  
ベニシアさん並の暮らしと都会のフルタイムワーキングママを並べて取り上げるような乱暴な議論があちこちに登場してくるのはどういういう意図なんでしょう。
  
誰だって自分の出来る範囲で丁寧に暮らせればそれでいいんじゃない?
  
その丁寧さの度合いは人それぞれで、それこそ雑誌やブログで多くの女性の羨望となるようなレベルから、生活が荒れない程度のそこそこレベルまであっていいわけだし。
  
  
  
『あなた自身もピーナッツバターを塗っただけのランチを毎日子どもに持たせますか?』『朝ご飯が毎日ハンバーガーやコンビニでも本当に健康や心に問題ないと思っている?家計の方も問題なし?』と著者に聞いてみたいわ。

  
それには「No」と答えながら『社会に刷り込まれた昭和の専業主婦信仰的価値観から私も抜けられないのよ』って言うのかな。
  
  
素敵ブログや丁寧な暮らし系雑誌によって煽られて、それを目指して苦しんでいる女性達を楽にしてあげたいというのなら、そこへかけてあげるべき言葉は『手を抜こう』『外注しよう』ではなくて、『人は人、よそはよそ』ってことなのでは?。
  
少なくとも私の場合は、よそ様のやり方を覗き見て『素敵だわ〜、うらやましい』と思うことはあっても、私もそうしなくちゃ!とは思いません。
  
自分の家庭に落とし込めることはマネすることもありますが、配偶者や子どもの性格や趣味まで計算に入れたら無限のパターンがあるわけですから。
  
聡明なワーキングママ達は丁寧にできるところはやるでしょうし、できないことを気に病んだりしないのでは?と思いますよ。
  
  
見ず知らずの他人の目を気にして無理することが問題なのであってね。
  
 
もちろん家庭のメネージメントを男女関係なく偏りなく分け合おうという部分や、そのために労働時間をなんとかしなくちゃ!という部分は賛成ですが、これも海外事例と単純に比べて声高に叫びすぎると道を見誤りそうだよね。
 
世の中の家族のパターンはみんな違っているのだから、都会のサラリーマン共働き視点だけで乱暴に片付けられないのだよ。
 
 
 
  
後半の4分の1程は話題ががらりと変わりミニマリストと断捨離批判、その延長線上でナンシー・八須さんの礼賛。
  
なんだか前半の論調とは随分とずれてくるものだからアレレレ?。
  
雑誌の編集者女史が『素敵!』と声を上げるようなナンシーさんの生活ぶりこそが『丁寧なくらし』っていうやつなのでは?
 
これぞ豊かでおしゃれな暮らし。と言われると、前半でさんざんお勧めされていた海外の事例とはかなり矛盾していない?
 
手縫いのコースターや使い込まれた古い道具を大切に使う暮らし。
 
 
昔ながらの道具を使う生活って、その手入れや掃除のしにくさゆえに結構手間ヒマがかかるのにね。
 
マッチを使えず燃えるものに対する経験が少ない子ども達を見て『火を使う生活を体験させなくちゃ』というのはもっともだけど、それを生活の中で実践するために毎日ベランダで七輪使う?
 
ガスコンロの火をコントロールしながら米を炊く毎日をお勧めするのも、仕事で忙しい人たちを『丁寧な家事』で苦しめることになるよ?

 
 
こうやって書き連ねてしまうとなんだか揚げ足取りのようだね。
 
全体を通して感じたのは、思いつきと極端な事例がつらつらと書かれているだけでトータルとして何が言いたいのかよくわからない..ということでした。
 
部分部分では多いに納得できる意見もあるのだけれどね。
  
  
  
  
家事を効率化したいと思っているワーキングママがタイトルに惹かれて飛びつくと、逆の意味で振り回されてしまいますから要注意。
  
  
  
  

あたまがぐるぐる【読書メモ】


『遺言』っていうから、なにか人生論的な内容かと思って読み始めたら全然違ったわ。
  
ヒトとは何か。生きるとはどういうことか。
  
同じとは?違うとは?
  
『意味』って何?
  
意識とは?言葉とは?
  
などなどを、哲学的、脳科学、生物学分野の周辺を近づいたり遠ざかったりしながら、解剖学者(なのかな?プロフィールには書いてないね)らしい視点で書かれています。

  
まえがきに『老人のブツブツだと思って読んでくれ』とあるように、養老先生の頭の中を駆け巡るあれやこれやがただただ流れ出ているような印象ですが、頭の中がぐるぐるかき回されるような感覚はなかなか気持ちよいものですね。

  
  
  


中高生向けの『ちくまプリマー新書』から。
  
インターネットから情報を拾うと、自分に都合の良い意見ばかりに目がいってしまいがち…とか『フェイクニュース』ってなぜ生まれるの?
  
両論併記の罠や言い換え後に丸め込まれてしまう危険。
  
相手が『言わないこと』にこそ注意せよ、とかね。
  
『聞く』ことをおろそかにしない、相手の言葉に耳を傾けることの大切さなど、どのページを開いても若い子達に伝えたいことがたくさん詰まっています。
  
  
 
新聞もテレビ・ラジオも鵜呑みに出来ない、政治家なんて信用できない大人の代表と成り下がっている今の社会で、何を信じれば良いのか本当に難しいです。
  
相手の立場に立ったり、多様な価値観を受け入れることを日頃から心がけることの大切さは自分の子ども達にも折あるごとに伝えてはいるけれど、自分が本質をつかんだ判断ができる大人かと言うとまったく自信なし。
  
メディアが都合よく編集したものやキャッチーに書かれたものばかりに目が行くことや、ワイドショーに出演する芸能人のコメントにひっぱられた井戸端会議で『それって違うんじゃない?』と口に出来ないこと。
  
うーん、わかっちゃいるけど難しいな…。