内田樹先生。
物言いがラジカルなので、好き嫌いの分かれる学者さんだとは思います。
肩書き(専門)はフランス文学とのことですが、倫理、民主主義、教育、その時々の社会現象などについて大変的確で鋭い論を分かりやすく聞かせて下さるので、私は尊敬しています。
今朝も先生のブログを読んでいて深く頷き、涙まで出そうになってしまった投稿があったのでご紹介。
コロナウィルスと社会的共通資本(2020.2.29)
「サル化する世界」についてのインタビュー(2020.3.3)
教育についての「いつもと同じ話」(2020.3.3)
自分がぼんやり感じていたことを、的確な言葉で表現・解説してくれることに感謝しながら読んでいます。
『サル化する世界』、まだ読んだことなかったので早速図書館で予約。
インタビューへの回答8つの中から、ふたつ程抜粋。
【いま、日本の教育界にとって喫緊の課題は何だと思われますか。】
子どもたちがゆっくりと自分のペースで成熟できるように、親も教師も浮足立たないことでしょう。教育の要諦は忍耐と楽観です。周りが前のめりになって子どもに「適性」や「自分らしさ」を押し付けるせいで子どもたちは小さく固まって、息が浅くなっています。豊かな「未決状態」の中で子どもが自然に熟成してゆくのを待つ覚悟が親や教師の側に必要だと思います。
【日本は新型コロナウイルスの進入をなぜ食い止められなかったのでしょうか。】
ウィルスには国家なんか関係ないです。ただ、日本政府の防疫体制がことさらに劣悪だったのは事実です。それは今の政権下で政治家や官僚が「専門家の専門的知見」を尊重する習慣を持たくなったからだと思います。彼らは専門家の意見を政権や市場の要請に応じてねじ曲げることに慣れ過ぎてきたのです。