そういえば、ひと月程前にバターが品薄なのかも?という記事を書きました。
そのときに近所で品薄を感じたスーパーは1軒だけ。他の数軒は微塵も感じない豊富さだったので、その後はさほど気にしていませんでした。
実は巣ごもり消費で小麦粉やらホットケーキミックスやらの材料とともにバターも棚から消えていたと知ったのはそれから1〜2週間経ってからのことです。
そういうニュースが出回ると皆さんあわてて買いに走るのか、私が『そういえば…』と覗いた時にはウワサ通り製菓コーナーは空っぽ。パンを焼くための強力粉も見つけられませんでした。
その後は覗きもしていませんが、各地で非常事態宣言が解除され学校も再開しつつあるようなので、そろそろ落ち着いているのかな?
コロナ騒動が始まってからというもの、マスクに始まりトイレットペーパーなどの紙類・ガーゼや消毒用品、そしてパスタや小麦粉などなどの食料品まで、いろいろなものが店頭から消えました。
2011年の震災でもそうでしたが、皆がひとつ余計に買えば普段の2倍の需要が生まれるわけですからね。
それが『ひとつ余計』どころか離れて暮らす家族の分や友人のためとか、手に入らなくなるかもという不安から1人でいくつも買ってしまえば社会にとてもとても大きな影響を与えることになる。
今回の件では農林水産省が『食料品は十分な供給量・供給体制を確保している』と一生懸命PRしています。
たしか最初の頃の農水大臣会見で『小麦粉は1.5〜3ヶ月間の備蓄がある』と言っていたような気がします。
安心して冷静な行動を! という呼びかけとは裏腹に、私は『国の備蓄はそんな程度しかないのか!』ちょっと怖くなりました。
小麦粉のほとんどは輸入品。海外からの輸入貨物が滞ったら3ヶ月でなくなっちゃうの?
国内備蓄って、パスタやうどんなどの加工用原材料を含めた話?
パニックになった国民がみんなで買いだめに走ったら一瞬で国の備蓄がなくなるってこと?
小麦がないならお米があるよ…と思ったところで年に一度の収穫ですからね。工業製品のように『来月から生産を増やして2倍の供給量にします』なんてことはできないよ。
昭和の後半から米の需要がどんどん減って、田んぼを作る農家も減っています。
国の政策もあり田んぼの面積自体はさほど減っていないように見えるかもしれませんが、実はそのうちかなりの割合が飼料米といって牛などに食べさせる飼料用穀物としての品種です。
地域によってその割合は異なると思いますが、私の住む稲作地帯の田んぼでは確か8割以上が飼料米品種と聞きました。
『人間の食べる米の需要が増えたので来年からはコシヒカリ作ってね♪』なんていうことは理論上可能ですが、そしたら牛の餌をとりあげることになっちゃうの。
畜産農家だって『じゃあ来年からは輸入の配合飼料にします』なんていうわけにもいかないでしょ。
農産物の生産は簡単に増やしたり減らしたりできないだけに、平時から自分達の食い扶持は自分達で賄うようにしていなければいけません。
コストコ愛用者の私が言うのも説得力ないけど(笑)、生活に不可欠のものの多くを輸入に頼るのってやっぱりコワイなあと改めて思っています。
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