『生きていても大変なことばっかりで、楽しいことなんてなんにもないよな〜、って思うんだよね』
家族でテレビニュースを眺めなら夕飯を食べていたら、下の子が急にこんなことを言い出したのでドキっとしました。
これから大学に行って社会に出て働いて…..。
大変なことばっかりじゃん。
結婚だってさ赤の他人と何十年も一緒に暮らすなんて想像できないし、
虐待とかネグレクトとかしちゃうのになんで子どもなんて産むの…?
育てるのお金かかるし、周りに迷惑かけないようにっていつも気ぃ使って、なんかお母さんて大変なことばっかりじゃん。
って。
うーん。
なんだかね、最も身近にいる大人として申し訳ない気持ちになってしまったよ。
大変なこともあるけれど、同じくらい楽しいこともあるんだけどなあ、とオットとあれこれ話をして聞かせてもあまりピンとこないみたい。
『私たち、大変そうに見える?』って聞いたら『とーちゃんとかーちゃんは特別だよ。そういう夫婦ばっかりじゃないじゃん。DVとか子どもを虐待したりとかさあ..』だそう。
じゃあ、◯◯ちゃんちや△△さんのお宅はどお?と聞いてみる。
自分が知っている家族を思い浮かべてみれは、「お金ないよ〜」なんて愚痴ったり兄弟喧嘩や夫婦喧嘩しながらも楽しそうだよね。
身近にある平凡な幸せをたくさん目にしているはずなのに、これは特別な少数派のように感じるらしい。
うーん。
自分の目の前にある姿よりも、ネットやテレビで仕入れる情報ほうがずっと影響力あるようです。
ネットの情報で耳年増になってるんじゃないの?自分の目を信用しなさいよ、と言ったら
「今は〜、とかSNSが悪いとか、ネットのせいだとかって言わないでよ」とガツンと言われてしまいました。
報道機関だけではなく、一般の老若男女のつぶやきがSNSで大量に流れているのが日常。見るなって言う方がムリか。
しかも毎日毎日ネガティブなニュースばかり。
幸せな姿をSNSに投稿するのは『映えばっか気にしてマウンティングしたいだけだからウザイ』ですって。女子高生キビシイわ。
と、こんな話をひとしきりした翌日。
30代にさしかかった独身女性と一緒にお昼休憩しながら…。
日本の将来に全く希望を感じないと。
環境問題、年金、保険、介護、とにかく問題はすべて先送りで負担ばかり背負わされている感じがして、自分達が高齢になったときのことを考えると絶望的な気持ちになるというの。
悪くなっていくばかりの世の中に自分の子どもを送り出そうという気持ちになれない、と。
うーん。おっしゃる通り。
でも本当に暗いままだろうか?なんとかするしかないし、なんとかなるものだよ、とオバチャンは言ってみる。
もちろん私だって受験の暗くて長いトンネルが辛かったり、先が見えない不安を感じたこともあったけれどね。過ぎてしまえば『なんとかなる』『なんとかする』で全て乗り越えてきたなあと思うから。
と、口にしながら『これは右肩上がりの時代に育った者の能天気な考えなのだろうか』とも思ってしまったり。
頭でっかちになってない?と言いかけたのだけれど、聡明な彼女に向かってその言葉はそぐわないなあと飲み込みました。
国家には何を言っても通用しない、選挙なんて民主主義を謳うためのお飾りでしかなく、政治を変えることなんてできないって染み付いてしまっているんだよね…。
物心ついたのはバブル崩壊後、大学卒業のタイミングでリーマンショックの波をモロにかぶった非正規雇用の30代女性の意見としては納得せざるを得ません。
偶然とはいえ、2日連続若者との悲観的な話題。
季節の変わり目なせいなのか、それとも著名人の自殺が続いている影響なのか…。
若者が自分の人生に明るい要素を見い出せない今の日本ってなんなんだろう。
バトンタッチする側の大人世代として、ちょっと切ないような申し訳ないような気持ちになってしまっています。
↓ ポチッとしていただけると更新の励みになります。