このところ『貧困・格差の連鎖』が自分の中での静かなテーマになっています。
テーマというと大袈裟ですが常に心の中にひっかかっているというか、とても気になっている社会問題のひとつです。
テレビ、本・雑誌のような紙メディア、ブログ、ツイッターなどのインターネットメディアなどでも関連するものが目についてしまい、ますますチェック頻度があがるという…。
【カラーバス効果】ってやつですかね。
で、読んだものをちょいと記録。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で脚光を浴びたブレディ・みかこさんの著書。
「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれる手厚い社会保障を誇ったイギリスのその後がこのような状態ということに驚愕。鉄の女サッチャー首相時代にこのような仕組みが大幅に縮小されたということも初めて知りました。
日本もイギリスの後追いをしている気がしてなりません。
著者が身を置いていた保育現場視線で語られているので視点の偏りには要注意ですが、国のありかたの歪みは弱い者から順番に重くのしかかり、めぐりめぐって国力が落ちていくのだということを突きつけられます。
同じような島国であるイギリスのたどった道は今後の日本を考えるのにとても良い教材。
特に、移民政策について考えるにあたり分かりやすい参考事例が盛りだくさんで、読んでみて損はない1冊だと思います。
こちらは、先日読んだ対談本『貧困を救えない国日本』に登場していた阿部彩さんの著書。
『貧困を救えない国日本』の読書メモはこちら
重複する部分もあるのだけれど、2冊通して読むとより理解が深まります。
前回の対談本もこちらの2冊も、素晴らしいなぁと思うのは「分析して終わり」ではなくその後の政策論が具体的に示されているところ。
このテの本には分析だけして終わっちゃってる印象の強いものが結構多いと感じているの。
70〜80才の『名誉教授』的な地位にいらっしゃる先生のお書きになるものにその傾向が顕著で「そんなの随分前からみんな言ってるじゃ〜ん」的な時代遅れな指摘が上から目線で提示されてることが多い上に、解決策や政策としての提示がなかったりね。
その点、こちらの阿部彩さんはまだお若くて(私と同年代ですけどね^^;)アンテナが敏感な世代なのでしょうね、新しい分析や知見がどんどん出てくる。
そして解決のためにどのような政策が必要なのか、社会全体として何ができるのかなど、批判ばかりでなく改善された部分やブラッシュアップを期待したいポイントなどが明確。
具体的でUp to dateなデータや提案がたくさんあると読んでいてホント面白い。新しいことを知ったり、固くなった自分の頭がシャッフルされて刺激になったり。
今後のご活躍がますます楽しみなおひとりです。
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