もっとじっくり読みたかったけれど、返却期限が来てしまったのでとりあえず印象をメモしておきます。
子どもの貧困は、一生の財産になる非認知能力を獲得する機会を奪い取ってしまう。ではどうしたら良いのか? やり抜く力、好奇心、自制心など、人生の成功を左右する力の育み方を、最新の科学的根拠と先進事例から解き明かす。
特効薬・即効薬的なトリートメントではないけれど、貧困家庭や貧困地区の公立学校を対象にした多くの実践研究から得られた多くの知見に目を見張る思い。
ここ数年よく目にする【非認知能力】。
やり抜く力(グリット)・好奇心・自制心・楽観的なものの見方・誠実さのような、生まれながらの気質と捉えられがちな力は、実は子供をとりまく環境の産物であり教えることのできるスキルである、と著者は断言しています。
恵まれた環境に生きる子供達が知らず知らずのうちに身につけているこの力が、逆境に生きる子供達にはなかなか得るのが難しく、その後の人生を大きく左右してしまうのです。
逆境下の子供たちが早いうちにこのスキルを身につけるよう支援することで、貧困の連鎖を断ち切り犯罪に手を染める機会を減らすことも示唆されています。
このような研究に対する裾野の広さ、研究に基づくプログラムの豊富さ、少しでも可能性があるなら取り組んでみる前向きな姿勢はアメリカという国らしいなあ。
まあ問題がそれだけ深刻ということかもしれないのだけれど…。
日本でも子どもの貧困が大きな問題となっています。
不利な条件下に生きる子供たちへの支援は、低年齢期であればあるほど生涯にわたって良い効果を生むというのが明らかだそう。
だとしたら、日本でも手をこまねいていないで一刻も早く取り組むべきよね。
タイトルの通り『私たちは子どもに何ができるのか』と考えさせられる1冊でした。
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