積読の中から1冊読了。
タイトルや表紙のイラストの印象から感じた投資ノウハウ的な本ではありませんでした。良い意味でとっても期待外れな1冊でしたよ。
出版されたのは2006年3月ですからコロナや東日本大震災どころかリーマンショックも起きていない時代ね。泉民主党が大勝した選挙の直後。
なぜ投資(資産運用)が必要かから始まるこの本の冒頭、「大きな政府・小さな政府」を思想と経済ふたつの軸で分け、社会のあり方(政策)をざっくり4つのパターンに分けて説明。
当時の小泉人気。あのときの私たちの選択が今の格差社会の始まりだったのか。「官から民へ」「自己責任」の時代の始まり。
このとき日本は大きく舵を切ってしまった。で、「金融格差」「年金格差」について…というように話が進んでいきます。
この本が書かれた当時の50歳代以上はさほど問題ならないけれど、40歳代以下は将来受給できる年金額では足らない「年金ギャップ」の心配があるという指摘、まさに私の世代が境目ってことね。ちなみに「老後2000万円問題」が大きな話題になったのは2019年のことだからその10年以上も前にこういう議論は出ていたんだね。はあ。
興味深かったのは国の年金運用の話。
【年金資金運用基金】の前身である年金福祉事業団が年金の積立金を使って運営していたグリーンピアの杜撰経営問題と株価下落で大きな運用損失を抱えていることが明るみに出て社会問題になっていたのが2003〜2005年頃。
当時は『もう、年金はお先真っ暗か〜』って思ったものですが、なななんとその後体制を大幅に改革したことで損失は取り戻したそうです。今ではこんな感じ↓。
凄い!!!! やればできる子!!!
その運用方法についての話が1章分を割いて説明されています。我々庶民にもおおいに参考になるお話。なるほどですわ。
「デイトレ」のように短期的に勝つ・負けるのギャンブル的『トレーディング型』ではなく、20年〜30年の長期で負けない『インベストメント型』で運用するべきなのはなぜなのか、リスク(ボラティリティ、標準偏差)とは?、複利の力を借りながら長期で運用する意味など、資産運用に足を踏み入れる際に知っておいたほうが良い基本的なことが、依って立つ理論に触れながら書かれています。
結局は「インデックスファンドにドルコスト平均法で..」ということにつながるのですが、「この商品をとりあえず積み立てておけ」タイプの本と並行して、そもそも資産運用って?を知るためにこのような入門書を読んでおくと理解が進むなあと思った1冊でした。
投資信託、ETF、ファンド
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