NHKの「プロジェクトX」や「突撃カネオくん」「探検ファクトリー」のような社会見学系の話が大好きです。
もちろん本や雑誌でもソレ系のものを見つけるとすぐ手に取ってしまいます。
先日図書館で目に入ったのがこちら。
取り上げられている製品は
・アラビックヤマト糊
・テプラ
・ハンディホッチキス
・オルファのカッターナイフ
・オーバンド(輪ゴム)
・レーダーの消しゴム
・ぺんてるサインペン
・サラサ(ゼブラ)
・ジェットストリーム(三菱)
・キャンパスノート
・林刃物の「紙用はさみ」
・カシオ電卓
・フリクション(パイロット)
・ポストイット
・修正テープ(プラス)
・フエキのり
・MONO消しゴム
日本人なら一度は使ったことがあるものばかりではないでしょうか。たとえ名前は知らなくても見れば「ああ、あれね!」となる身近な文房具がずらり。
研究の過程で偶然生まれた不思議な性質の接着剤に新たな使い道を見つけたことで成功した3Mのポストイットやオルファのカッター開発などは割と有名なお話よね。
アラビックヤマトのスポンジヘッド部分の開発に並並ならぬ苦労があった話や、消しカスがまとまるタイプの消しゴムは大ヒットしたヒノデワシ「まとまるくん」よりも先に実はレーダーがを開発していたのにネーミングセンスで後塵を拝してしまった話、サラサは書き味そのものよりもバインダークリップを採用したことが爆発的ヒットに繋がったという話が意外性に富んでいて面白かったです。
ゲルインクやエマルジョンインク、ジェットストリームの使われている軽い書き心地の油性インク、またそれらのインクをスムーズに送り出すペン先の機構が絶え間ない研究開発の賜物だということは想像に難くなくて、その開発に携わった方々のことを想像するとなんだかたまらない気持ちになってしまうワタクシ。
恐ろしいほど繊細なノウハウが詰め込まれた優秀な日本のボールペンやサインペンが100円程度で買えるなんて申し訳ないくらいよ。
この本に掲載されている製品の開発秘話はほとんどが昭和のものというのが少しばかり残念だけど、それにしても身近にあって当たり前の小さな工業製品に注がれた膨大なエネルギーにはため息が出ちゃう。
あっ!と驚くような独創的なものをゼロから生み出すのは苦手でも、性能をどんどんブラッシュアップして進化させ続ける技術や心意気は本当に日本人の得意とするところだなあと改めて感じ入ります。
オーバースペックだったりガラパゴス化して世界の潮流からはずれてしまう危険性もあるけれど、やはりこの心意気は失っちゃいけないと思うわ。
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