地元の小学校の避難訓練が行われました。地域の人やPTA保護者も一緒にということで私も参加してきました。
今回は津波を想定した訓練とのこと。この小学校は海から直線距離で5km程度、標高は数mしかないとのことで、校舎の最も高いフロアでも標高にして12~3m。もし茨城県沖で東日本大震災規模の地震が起きれば津波の危険があると想定し、学校脇の道路を標高の高い方向に避難するという訓練です。
小学校のすぐ隣にある地区の市民センターに到着すると、校舎の中で子供達に避難を呼びかける放送が響いています。数分後、上級生と下級生がペアになって手をつなぎ小走りで校庭から出てきました。旗を掲げた校長先生を先頭に、一番大きな6年生が1年生を連れ、5年生は2年生と、4年生は3年生と手をつなぎ2列で歩いてきます。
列の最後尾に私たちも加わり坂を上ること約20分。普段は車でさっと通り過ぎてしまう坂道が、歩いてみるとかなりきつく子供達についていくと息が上がって汗びっしょりです。子供達は普段歩き慣れている道ですから、体の小さな1年生でも結構な早さで歩いていくのには驚きました。
目的地に到着した後は、校長先生のお話や非常食についてのレクチャーを聞いて、また来た道を学校へ。
歩く道すがら、3年前の震災の時のことをいろいろ思い出していました。
仕事をしながら聞いていたFMラジオから初めて耳にする緊急地震速報。鳴り出して20秒ほどの間をあけてゆーらゆーらと船が揺れるような横揺れがやってきて、これはただ事ではないと庭へ出たのです。
子供を学校に迎えに行って家に戻ると、隣町の防災無線で津波避難の呼びかけが鳴り響いています。大きな余震もたびたびあり家の中も物が散乱していたので、とりあえずすぐに食べられそうな食料品と水、キャンプ用品一式、毛布などを車に詰め込んで避難することにしました。
まさに今日避難訓練で行った先の運動広場でテントを張って寝たのでした。とにかく一晩中余震で眠れず、つけっぱなしにしていたラジオからは津波警報の嵐。その中にちらりと原発で電源が喪失しているとのニュースが混じり、まさか…と耳を疑ったあの恐怖感。
翌日は自宅に帰り、まずは庭でキャンプ飯。
停電した冷蔵庫の中から傷みの早そうなものから取り出してカセットコンロで料理することに。地震の当日は季節外れの寒さに震える日でしたが、翌日はぽかぽか陽気でなんだか大地震があったなんてうそのような気がしたものです。
停電でテレビも見られなければ携帯電話も全くつながらない状態だったので、家の中に目をやらなければ本当に庭でキャンプしているような一日でした。
たまたま前日に子供がホワイトデー用に焼いておいたパウンドケーキがあり、甘いものが少しでもあると心が落ち着くという発見もありました。
こんな経験の中で役立ったものを思い出してみると、まず思い浮かぶのが食器棚のチャイルドロック。
子供のいたずら防止につけてあったものをなんとなく日常的に使っていたのですが、揺れで食器が全て手前にずれて扉に寄せかかっていたので、もし扉がロックされていなかったら床に割れたガラスが散乱していたに違いありません。
まあ、それをもとに戻そうとして扉を開けたときに落として割れてしまったものもありますが、中身が全て散乱しなかったのは本当に不幸中の幸いでした。
食料品ではなんといっても米。
我が家は近所の農家から30kgづつ買うので1週間やそこらなんの心配もありません。野菜や肉がなくても、ちょっとした調味料があれば米は飽きずに食べられますからね。備蓄のサバ缶なんかがあれば本当にごちそうです。
炊飯器が壊れたことをきっかけに毎日鍋でご飯を炊いていたのが功を奏し、カセットコンロでちゃちゃっと炊きたてのごはんを食べられたのは、あのような状況の中でうれしかったことのひとつでした。
うちの普段の鍋炊飯の動画です。
逆に困ったのはやはり車のガソリンでした。
ど田舎なので、ちょっと出歩くにも車が必要。長引く停電のために、携帯電話の充電は車のエンジンをかけて電気をとりだしていました。
また、直線距離で100kmほどのところにある福島原発の成り行きや、県内の原子力施設の様子如何では県外に避難することも考えたので車の燃料にはかなり悩みました。
今はメーターの半分を切ると給油するように心がけています。
もうひとつ反省したのが、玄関に割れ物をおいてはいけないこと。
下駄箱の上に花瓶や陶器の置き物などを飾ってあるお宅は多いと思います。我が家では子供が描いた絵を入れたガラスの額が飾ってありました。
この額を壁に固定せず立てかけただけの状態だったので、大きな揺れで玄関の三和土に滑り落ち粉々に。外に避難した後だったから良かったものの、もし逃げる際に履物の上に割れたガラスが散乱していたらとても危険なことでした。
+++備蓄品で今日気づいたこと+++
・古くなったペットボトルの水を買い替える
・食べてしまったレトルト食品や缶詰を十分に補充しておく
・乾電池を追加しておく