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著名な経済評論家もひとりの親。ご子息に宛てた手紙に胸打たれる。



経済評論家の山崎元さんが1月にご逝去。


その山崎さんの最後の著書が2月15日発売だそうです。



この「息子への手紙」というのは単なる本のタイトルではなく、実際にご子息宛てに書かれたお手紙なのだそう。


その手紙をもとに書き下ろして書籍化したとのことで、本の巻末には実際にそのお手紙が掲載されているそうです。


そのお手紙が出版元である学研のwebサイトに期間限定で公開されています。全文公開は2024年2月1日(木)~2月29日(木)、3月1日からは部分公開にかわるとのこと。



早速読みにいきました。



親としての心持ちにまず胸をうたれました。そしてその心持ちの表現が実にお上手です。


親はみな自分の子を愛おしく思い、彼らに幸せな人生を歩んで欲しいと願いながら日々接していると思います。


ときにはその気持ちが強すぎて子をスポイルしてしまうことも。


真面目で優秀な親ほど自分の経験や信念に囚われすぎてしまうのかもしれません。その結果、肝心な「子ども自身の幸せ」がどこにあるのか見えなくなってしまうこともよくある話。



このお手紙には、深い愛情と程よい距離感、子への信頼、現実社会の中で幸せに生き抜くためのアドバイスなどなど、親として伝えるべきが全て詰まっています。


言葉選びや表現の仕方も独特で私は好きです。


まず冒頭の大学合格を祝う言葉。「東大合格」ということについて、ご自身の経験があるからこそ出てくる言葉なので「なるほど」と思わされます。




そして、全体を通して「I(自分が主語)」メッセージなので押し付けがましいところが一切ないのも素敵。


「自分はこう思う(思ってきた)ので伝えておくが君は君の気持ちに正直に生きていけば大丈夫、心配するな。」なんです。


途中、人生のアドバイスとして「お金」の部分は多くの媒体で山崎さんが伝えてきたことなので、投資と絡めてこの部分がクローズアップされてしまうかもしれませんが、この手紙の中では、お金についての話はほんの一部。


手紙の大部分は自分がどのようなスタンスで息子さんに接してきたかという「育児方針」と、これから生き方に迷った時の羅針盤となるような言葉のプレゼントです。


自分に残された時間の短さを知り愛する人に伝えるべき最後の言葉を探す時、これほどまでに無駄のない言葉で自分の内を語り相手への願いや想いを表現するのは誰もが簡単にできることではありません。


立場によって感じ方は様々と思いますが、私は「親」という立場で驚愕と感嘆の気持ちでこのお手紙を読ませていただきました。




経済を通して世の中をずっと見つめてきた山崎さん。「経済評論家」という狭いくくりではなく、親として人間として素晴らしい方だったのだなあと思わされます。


ご本人はもとより、このような私的なお手紙を世に出すことを了解してくださったご家族にも感謝です。


この手紙に彼の考え全てが詰まっているのだとは思いますが、これをベースにどのようなことを書き下ろされたのでしょうか。


図書館に入るのを待てないのでAmazonで予約しちゃいました。






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