読後感をじっくり反芻する余裕がないのでとりあえず記録のみ。
今年読んだ本の中でナンバーワンかも。しみじみ刺さる。
夫である青木真兵さんとの共著「彼岸の図書館」も大層心打たれたけれど、こちらは海青子さんのもっともっと深いところが丁寧に丁語られています。
彼女のあまりにも繊細な感覚は、のほほ〜んと生きている自分には理解できない部分も多いのだけれど、静かに静かに語る滋味深い文章に引き込まれずにはいられません。
「本は窓のようだ」という一文がとっても好き。
扉ではなく窓。ドアのようにすぐに外の世界に繰り出せるわけではないけれど今いる場所と違った世界を感じることができる、という感覚。
そして「図書館の書架は素晴らしい窓がたくさん付いていている壁」。図書館員は誰かを窓辺に招いて窓から見える風景に気づいてもらうきっかけを提供する。
私が図書館という場所というか仕掛けが好きな理由がまさにこれ。図書館て、読みたい本を購入する費用や置場所を節約するためだけにあるのではないの。
「図書館が好き」だけど読書家ではないんだよなあ…といつも説明に苦慮しているのだけど、この感覚をうまく説明できなくてね。
小学校の図書館整備のボランティアを続けるのも、子どもたちが様々な世界を覗くための窓をせっせと磨きに行っていると言えばしっくりくるかも。
この本、何度も読み返したくなるのだけど、なぜか地元の図書館に所蔵がなくて、隣町に借りに行かなくてはならないのが残念。買おうかな。
『こころの科学202号』の特別企画をもとに編集された2冊。ティーンエイジャーと接することが多いので「子ども編」が特に参考になる。
支援の押し付けを嫌う「支援される側」の論理にも目が向けられている。
心理臨床・医療・教育・福祉・各種支援団体など広いジャンルの方々からの寄稿。短い論考が数多く編まれているのでどこからでも読めるし、気になったところだけ拾い読みできる。
こういう論考を読むと、現場を知っている専門家のありがたさをとても感じるの。
国が出す「こどもの自殺防止」のような指針、もしかしたらコンセプトは良いのかもだけど、市町村レベル・学校現場に降りてきたものを見る限りでは「それじゃない」感ハンパなく…。
そんなモヤモヤする感覚にスマッシュヒット。まだ全部は読めていないのだけれど、参考書のように時々めくりたくなる本。
本日のタイトルをつけてから気づいたけれど、この3冊って今の社会の生きづらさがテーマかも。
心のSOS、その危機をどう気づきどうケアするのか問題。
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