読みたい本は山ほどあるのに読書量としてはとっても少なかった2024年。積ん読ばっかりだったってことね、へへへ。
流し読みばかりではありますが、手に取った本の中から2024年のベスト3を選んでみました(順不同)。
本が語ること、語らせること
これを読んだ時の感想はこちら。
雨の日の心理学
お次は大好きな東畑開人さんの最新刊。
朝日新聞の「好書好日」で取り上げられたのだったか、随分と話題になっていましたね。この手の本にしては図書館の予約順番待ちがかなり長かったです。
心に雨が降っている人にそっと傘を差し出すように、大げさに構えず誰でもいつでもできる心のケアについてのお話。
ケアする側とされる側、立場はいつでもくるくると入れ替わるのです。ケアしているようで実はされていることもあり、常にお互い様なんだなあと。できる人ができる時にの大切さよ。
自分の暮らす地域にちょっとした居場所があることが実はとっても大切なのだと書かれていて「地域のコミュニティー」問題への答えをもらったような気がしました。
これは物理的な「場所」というより、心的な場所でしょうね。朝のゴミ出しで顔を合わせたら挨拶をする、ついでに1〜2分の立ち話ができるような関係の人がいるだけで、自分は孤独でないと感じられるものね。
東畑先生は心理学の専門家でありプロのカウンセラー。それなのにその語り口に押し付けがましさが全くなくて、読んでいるこちらの心がふわっとしてくるのよねえ。
ソーシャルジャスティス
年末〜年始につらつらと読んだ本。
この表紙の写真、コロナ禍のSNSでご覧になった方もいるかも。
新型コロナ対策として登場したmRNAワクチンに関する玉石混交の情報が大量に出回り、賛否両論燃え盛っていた時期です。
書名だけで図書館予約していたので、表紙を見た時「うわ、あの時の!」と思いました。予備知識なしに書店で見かけただけなら手に取らなかったかも。
あの写真とともにアップされたSNSのメッセージは私もリアルタイムで読んでいたのですが、ちょっと距離を置いてその様子を見ていたような記憶があります。
本を読んでみれば、この写真が彼女の当時の覚悟を表していることに気づくのだけどね。
プロフィールからもわかるように目がくらむようなスーパーウーマン。そして写真からの印象は欧米で活躍する女性独特の雰囲気です。
誰にも文句を言わせないような努力でたくさんの壁をクリアしてきたというところも遠い人すぎて、いつもの私なら食わず嫌い炸裂なんだけど、内容は実に共感することばかり。
トピックスとしてはいろいろな方向に飛んでいるので目次を見ただけでは「何について書いているの?」となりますが、精神医学の専門家・研究者としての知見、女性・アジア人差別の経験が全体を通底しているので迷子になることなく読み進められます。
エピローグにある、社会のため未来のため誰かのために小さな一歩でも前に進む種まき、という考え方に励まされます。新年のおみくじをひいた気分。
自分のやっていることがなーんの意味もないように感じることが多い昨今なのですが、何かの種まきになっているかもよ..と思わせてもらえました。
いつも応援ありがとうございます。
ポチッとしていただくと更新の励みになります。
↓ 読者登録もぜひ!