【2025.6.13更新】(短い感想を少しずつ追記しています。)
いろいろな理由で手に取った本。
最後まで読みきったものもあれば最初の数ページで挫折したものもあり。3月末以来2ヶ月分の記録。
ムスメが「聖母」と呼んで敬愛している先生がいるようなのですが、その「聖母」の授業で紹介されたという本。
これ、実話というのが驚きです。
「文化医療人類学者」(こういう分野があるんですねえ)である著者が現地に赴いて証言を最終、過去の資料とも突き合わせながら丹念な調査を重ねたレポート。
外部と交流の少ない島という環境ゆえに先天性の聾者が多く存在し、聴者もろう者もコミュニケーション手段として当たり前に手話を使っていたので、特に「聴こえない」という障壁のないコミュニティーだったそうです。
その後交通手段の発達などにより、島外との人流が盛んになり今ではそのようなコミュニティーはなくなってしまったそうですが、こういう話を知ると「ダイバーシティーとは!」とか大上段に構えることが小っ恥ずかしくなってしまうわね。
余談ですが、1991年の版は絶版になっていたそう。現在は2022年に文庫で復刊したものが流通しているようです。
何年か前に「毒親」関連本を何冊も手に取った時期がありました。丁度、自分とムスメの距離感について考えるところがあったのね。
2000年ごろに「毒親」という言葉が生まれたらしいけれど、もっともっと前に子供研究家が「親子の役割逆転」という言葉を使ったそうです(1977年!)。
「毒親」というと主に「母と娘」に焦点があてられていますが、この「親子の役割逆転」という視点は親子関係・夫婦関係を含む家族関係全体に向けられており、「これでもか!」というほど多くの事例が紹介されています。
そして巷の「毒親本」は子供(被害者)側に共感し寄り添う立場のものが多いように感じますが、こちらは親側の問題点をしつこくしつこく取り上げている研究者視点。
今まで読んできた「毒親本」よりも加害者側に対する解像度が高くて、親子関係の問題を理解する基本的な考え方が全て詰まっているように思うくらい。
親子関係に起因する辛さを感じている人は是非読んでみてほしい。さらに深掘りしたい向きには巻末に参考文献も掲載されています。
そして、解決のすべは「とにかく離れること」だそうです。子どもはそのような親から離れるために本当に好きな人を捜し当てること。青年期まで「親子の役割逆転」で生長しても、必ず晩年幸せになれる、という言葉が救いになります。
数多くの事例が身近にいくらでも転がっているようなことばかりで、自分の胸に手を当てることもしばしば。
あとがきでは「父親になれない男と母親になれない女が家庭を作るから子どもが問題を起こす」という言葉があり、考えさせられました。
母・自分・ムスメたち、女3世代の顔を思い浮かべながら、おじいちゃん学者さんの思う昭和の「親像」と現代の「親像」が乖離しすぎてない?、と思ったり「いやいや本質を突いている」とも思ったり。
今をときめく歴史学者?人類学者?のエマニュエル・トッド氏。
刺激的なタイトルの話題の本ですが、図書館の予約待ち人数も結構な数。何週間も待ってようやく順番が回ってきたものの、私の次にも待っている人がいるので、手に取れた期間は2週間。
歴史や地政学の知識がなさすぎる私には難しくて最初の10ページくらいでリタイアです。
とはいえ、まえがきを読んだだけでも「これは避けずに読まねばならぬヤツね」と思わされましたよ。
理屈をつけて目を向けずにいる世の中の事実に強制的に目を向けさせられる感じというのか..。
正義の顔をした耳障りのよい理屈に乗っかっている自分に「本当にそう思うの?」って問われているような居心地の悪さ。
先進国の仲間としてまるで欧米各国の仲間のような顔をしているけど、立ち位置がとっても独特な日本。アメリカ流の経済至上主義や、二枚舌のヨーロッパにお追従しててもダメなんじゃないの?って思わされるわ。
出版当時大きな話題になったものの、予約待ちの人数がすごすぎて読めずにいた小説。その熱もすっかり冷めたようで図書館の書架に並んでいたので借りてきました。
どこにでもあるような普通の家庭の青年が家族とも顔をあわせない生活を送る様子の描写がリアルで、親の立場としてはつらいものがあります。
物語の前半は家族(特に両親)に問題があるのかと思って読んでいたのですが、一人の弁護士が絡んできたあたりで原因が別のところにあるとわかります。もちろん家庭にも問題の一因はあるのだけどね。
話が進むにつれて「引きこもり」「8050問題」からどんどん離れていってしまい、小説としては面白いのだけどちょっと期待はずれでした。
林さん、この大きな社会問題に目を向けたは良いけれど、良い落とし所が見つけられなかったのかなあ。それとも父親の腹の括り方という視点が林さんなりの答えなのか…。
本好きの若い方が『感染症文学を定期的に読む』と言っていて「感染症文学!?!?!?」となりました。そういうジャンルがあるとは知らなかったわ。
カフカの「ペスト」くらいしか思いつかなかったのだけれど、代表的なものとしてこのドキュメンタリー小説を紹介されたので手に取った次第。
1665年にロンドンで起きたペストのパンデミックが題材。実際の出来事をもとにしているのでリアリティーがありあり。
人の心理っていつの時代も変わらないんだなあというのが強い印象。テレビやインターネットがある現代でも真偽不明な情報が錯綜するのだもの、300年前では言わずもがな。
このように先人が残してくれた書物は2020のパンデミックで生かされたのでしょうかね…。
#読書記録
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#親子関係
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コメント
是非!簡単でいいからレビューを!
セレクトがLEE様だわっ!
コメントありがとうございます、グリコ様!
気になる本は山ほどあれど、全く追いついていないので「読書記録」というよりも「気になる本記録」と化しています。とほほ。
とはいえ、自分でも覚えておきたい手に取った経緯や、ぱらぱら〜っとしてみた印象などをこの記事に追記する感じで足していきますね。
ところで。
グリコ様の万博訪問記面白かったです〜。
実は私もチケット自体は家族分入手してあるのですが(ご同様に協賛企業から入手)、この会期日程では「いつ行くねん…!」状態。
それを見越した上のムスメだけ、さっさとひとりでGW中に高速バス往復車中泊の弾丸訪問。若さって素晴らしい…。
それではまた!
手に取った経緯(動機)だけでもいいし、もちろん読んだ感想お待ちしてます!LEE様ご紹介の本はいつもわたしにヒットするので♪楽しみ♪
万博レポ読んでくださってありがとうございます。
万博、近くに住んでいたら何回もリピートしたいです。
各国の事情やこれからを本当はじっくり知りたいところ。
駆け足見学が残念です。
ほんとうに、暑く成ってくるし、いつ行けばいいんだ?的な日程チョイスですよね(汗)。
LEE様のレポも楽しみにしております!!
グリコ様。
私のアンテナに引っかかっただけでリンク貼っちゃってる個人的な備忘録ですが、そう言っていただけると嬉しいです♪。
しかしながら「これは!」と思うものほど歯ごたえがありすぎて、自分の栄養にまで回りきらないのが悩ましすぎるの〜。
昨日・今日と真夏のような暑さですが、ご自愛くださいませね。