やっと観てきました、映画「国宝」。評判に違わず素晴らしくて、数日たった今日もまだその余韻に浸っておりますよ。
メディアが勝手に盛り上げているだけでなく、確かな眼を持つマダム達が口を揃えて絶賛されているので「見逃すまじ!」と思っていたのです。
開演時間が早いのは無理!終演時間が遅いのも嫌!お盆休みの混雑も避けたいなどとわがまま言っているうちに、こんな時期になってしまいました。
お盆休みが明けた月曜、夕方からの回に出かけたのですがそれでもほぼ満席でびっくり。
そして来場者年齢層の高いのにもびっくり。
ご年配の夫婦やらおひとりマダム、お孫さんと思われる若者&シニアというパターンが多かったですね。我が家もOVER60なオット&私、学生のムスメという組み合わせです。
日本映画特有の湿っぽ〜い濡れ場や、ちょっと目を背けたくなる暴力シーンがあるせいでしょうか、PG12指定。中学生を連れて行くのはちょっと…かな。
美しいお顔と評判の吉沢亮さん、私はどちらかというと苦手でちょっとなあ〜、と思いながら見始まったのですが、シャキッと背筋の伸びた美しい立ち姿や舞い姿、全てを捨て己の「芸」だけを見つめる強い視線にグッときました。
歌舞伎についてはまったく知識がないのですが、お二人の鬼気迫る演技にドキドキしっぱなし。
特に、長らく行方が分からなかった俊介が再び舞台に戻り、三代目半次郎となった喜久雄と17年ぶりに共演する「二人娘道成寺」。
切磋琢磨しながら無邪気に精進していたかつての舞台とは、横浜流星さん演じる俊介の表情や所作が微妙に変化。「血筋」ならではの天性の伸びやかなものが消え、深い苦悩を経て至った役者魂のようなキリッとしたものが滲み出る場面にゾクゾクしたわ。
努力しても決して手に入れることのできないものに再び打ちのめされる喜久雄の心中もまた切なくて。
吉沢亮さんも横浜流星さんも大河ドラマの主役を張れるほどの俳優さんではありますが、この映画を通して自分自身もまた一段成長されたのではないでしょうかね。
伝統芸能の世界には我々一般ピーポーには理解できなような闇やら苦悩やらが存在しているとはなんとなーく想像はつくものの、マジ奥深い。
そしてまた、寺島しのぶさんがその辺りのリアリティを醸し出していて場面場面をキュッと引き締めてるよね。
そして、田中泯さん演じる「万菊」!!!。
ほとんど動きのない役なのだけど、そそそっと発する短い言葉がこの映画の世界観全てを物語っちゃうような、背筋がひや〜っとするようななんとも言えない存在感。
その分野のTop of topに立つ人ならではの孤独感というか悟りや覚悟のようなものが、それこそ国宝級の舞踏家田中泯さんを通すとリアルに伝わってくる。
私の貧弱なボキャブラリーではなんとも語りきれないことが多すぎて、あれやこれやすっ飛ばしますが、人間の業とか呪縛とか運命とかとかとかについて考えさせられる奥深い映画でした。
3時間の長丁場ですから、途中で眠くなっちゃうだろうな〜なんて心配をしていたのですが、そんな心配吹っ飛びました。とにかく緊張感が続きっぱなし。
音楽(音響)も素晴らしくてこれは劇場で観るべきだわ。もう一回観に行きたいくらい。
余談ですが、エンドロールで発見した「瀧内公美」さんのお名前。「光る君へ」源明子役や「あんぱん」黒井先生役が印象的だったので「あらっ!?」となりました。
「何役で出てた!?」と慌ててググったら、なんと成長した綾乃役でした。何十年も前の「悪魔との取引」が回収された二人の再会場面。お互いの胸に去来したであろう様々なことがぶわーっと伝わってくる切ない場面。
芸妓藤駒を演じた三上愛ちゃんも、これ以上ないハマり役じゃない?雰囲気ぴったり。
3時間ということで心配していたトイレ問題については大丈夫でした。観客年齢層高めなのに途中席を立つ方も見受けられず。
後半お尻が痛くなってしまったのはちょっと参ったかな。オットもムスメも同じく。
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