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少年院の数学教室【読書メモ】



2026年後半のマイベスト本入り間違いなしの1冊。


3名の共著者は以下のような先生方。

・「語りかける数学」シリーズの著者である髙橋一雄氏
・数学教育者の瀬山士郎氏
・少年の矯正施設(少年院)の元法務教官、各地の少年院院長等を歴任された村尾博司氏



自費出版の数学参考書を少年院に送付したことがきっかけで、村尾先生から少年院での数学指導依頼を受けた髙橋先生が、編集者の仲介で瀬山先生とつながり…という経緯で始まった少年院での外部指導者による数学教育の記録。


塾や予備校など現場で子どもたちに教えてきた指導者、大学で教鞭をとってきた数学教育専門家、矯正施設で長年非行少年に関わってきた法務教官。


それぞれの立場からの「数学教育とは」が大変興味深く、勉強になることばかりでした。


「大人になったら数学なんて使わないじゃん」「電卓やAIがあれば困らない」という子どもたち。多くの大人たちや政治家までがこのような言葉を発している中で、 中学校〜高校レベルの数学を学ぶ意義をわかりやすく語る言葉が欲しい!と日々切実に感じてる私にとっては、自分の意識を確認し直すことができました。


本書のなかで瀬山先生がおっしゃっている
・論理的に考える
・記号化して考える
・日常経験からの離陸(抽象化)
・全ての教科を通して「文化としての学び」であること、数学もそのひとつである



「数学を勉強するのって、こういうことなんだよ」とこどもたちに伝えたいと日々感じていることばかり。彼らにとってわかりやすい言葉にするのが難しいのだけど、考え方として間違っていないとわかりホッとしました。


また、小学生学習範囲である分数概念の獲得というのは数学教育の中ではとても難しく重要なパートということもわかりました。世の中の数学苦手な中高生、場合によっては大学生や大人も大嫌いな分数。

これを中高生に再度教える際に「『小学校レベルに戻る』という教え方は良くない」と瀬山先生。

「小学生の算数」がわかっていない、というのは彼らのプライドを傷つけてしまう。そうならないように「今」学んでいる中学生レベルの計算や方程式の中で解説するよう心がけたそうです。




よくわかります。「これ、小学校でやったのにわかってないの?!」なんて言ったら、ただでさえ苦手意識のある数学への興味の芽をぺしゃんこにしちゃうからね。

基礎から徹底的に復習するには小学生レベルのドリルからやり直すのが良いって思いがちだけど、そんなの中学生のイキった子にやらせられないわよ〜と私だって思うもの。





小学生にうっかり未修のことを教えないように時々教科書や参考書を広げて確認することはありますが、中高校生に対しては、小学生レベルの四則演算、分数・小数、中1で習う文字式や正負の数の演算など、それぞれの躓きポイントに合わせて学年関係なしにお付き合い。

日々試行錯誤でこどもたちの「数学(算数)苦手!キライ!」に向き合う自分の考えが大きく間違っていないことに励まされました。




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