全部読み終わってはいないけど、とりあえず読書メモ。
精神科医・心理学者であり作家でもある加賀乙彦さんの著書。このかた87歳になるのですね。この本の出版が7年前でちょうど80歳のとき。死刑囚を含む多くの服役者と関わってきた、著者が人間の幸せについて淡々と語っています。
『幸福を定義してはいけない、幸も不幸も考え方次第』という言葉に共感しました。他人と比べ、その差異に一喜一憂する生き方に疑問を呈し、足るを知る=あきらめ力(りょく)を磨くことが大切とおっしゃっています。
そういえば高校生の頃だったか、この方の代表作であり死刑囚の苦悩を描いた『宣告』という小説を読んだ記憶があります。当時は表面的に読んで感動しておしまいだったと思うのですが、あれから30年以上経った今、もう一度じっくり読んでみたい本のひとつです。
こちらは2015年にノーベル文学賞を受賞したスベトラーナ・アレクシエービッチさんの著書。
チェルノブイリの原子力発電所事故に遭遇した市民への丁寧なインタビューを重ねたドキュメンタリーです。
当時、何も知らされることなく大量の放射能を浴び、事故処理に当たった夫や息子を目の前で看取った市井の人々の生の言葉に胸が痛くなります。
2011年東京電力福島原発のメルトダウンと重ね合わせる方が多いと思いますが、私にとっては1999年に東海村でおきたJCO臨界事故の記憶もいまだに鮮明で、この事故で亡くなった作業員の方の被爆治療83日間を記録したNHKドキュメンタリーを書籍化したこちらの本と重ねて読んでしまいました。
最近ではインターネットとテレビばかりに頼りがちですが、新聞ならではの基本的な情報収集の仕方について分かりやすく教えてくれる1冊です。高校生や大学生は必読かも。