『クラウドファンディング』という言葉はすっかりお馴染みになりましたが、『クラウドソーシング』って皆さんご存知でしたか?
私は『L−Crowd』という図書館ボランティアプロジェクトをたまたま目にしたことで、そのような仕組みがあることを初めて知りました。
クラウドソーシング (crowdsourcing)
不特定多数の人に仕事を委託することです。ITやコンピュータネットワークが未発達の時代には実現が困難でしたが、これらの発達によって近年注目を集めています。
クラウドソーシングはCrowd(群衆)とsourcing(業務委託)を合成した造語であり Jeff HoweによるWiredの記事”The Rise of Crowdsourcing”[1]で広く知られる事になりました。
[1] Jeff Howe. The Rise of Crowdsourcing. Wired, 2006.(Crowd4U:http://crowd4u.org/ja/)
このクラウドソーシングの仕組みを利用したボランティアプラットフォームが『Crowd4U』で、こちらから現在進行中のプロジェクトを見ることができます。
このプロジェクトの中に『L−Crowdプロジェクト』で始まるものが二つほどありますが(2017.7.31現在)、それがインターネットでできる図書館ボランティア『L−Crowd』です。
L-Crowdの目的は,人間の力が必要な図書館領域の問題に対してマイクロボランティアとクラウドソーシングによる解決を試みることです.例えば,様々なカタログの書誌レコードを機械同定した際の誤同定を見つける問題は,人の力抜きでは解決出来ません. マイクロボランティアとは,極めて短時間でできるボランティアの事であり,クラウドソーシングとは,インターネット等を通じて多くの人々に仕事を委託する事です.
L-Crowdでは,ボランティアの方々に,図書館領域におけるそのような問題を解決するために設計されたマイクロタスク(短時間でできる作業)をお願いしています. マイクロタスクを行うにはほんの短時間しか必要とされません.あなたの名前は貢献者一覧に掲載されます. 世界中のいかなる国からの貢献を歓迎します.いくつかのマイクロタスクは日本語の能力が必要ですが,英語や他の言語で可能なマイクロタスクもあります.
(L−Crowd:https://crowd4u.org/ja/projects/lcrowd#people)
私も試しに『国立国会図書館デジタルコレクションを便利にする 』というプロジェクトに参加してみました。
現在用意されているのは『タスク1 テキストでない部分の発見(多言語対応) 』という作業。
『Perfom a task』というボタンをクリックするとウインドウにひとつタスクが現れます。質問への判断は直感的にできるので、並んでいるふたつのボタンからどちらかを選んでクリックして終わり。また次のタスクが現れますが、続けてもよいしそのまま終わりにしてもOK。判断できないタスクはスキップして次に進むこともできます。
ささいだけれど膨大な作業を大勢で分担しましょう、というだけなので参加する側にとっても気がラクですし、たとえ微々たるものでも自分の行動が国立国会図書館のデジタルコレクションに反映されていくのかと思うととてもワクワクした気持ちになってきます。