タイトルの『普通の主婦』や『50歳』という言葉はいらないよね、というのが一番の感想。出版者が売上の為にキャッチーなタイトルをつけちゃったのかしらね。
別に東大・京大のような難関校を目指すのでなくても、自分に合った方法で受験用の勉強をいかに効率よくこなすかという点で、学生さんたちには役に立つんじゃないでしょうか。ちょっとゲームの攻略本のような印象でもあります。
『普通の主婦』の基準が人それぞれなせいでしょうか、Amazonのレビューの中で一番批判されていたのが『普通の主婦じゃないじゃん!!」ということでした。
現役〜2浪時代に東大・京大を目指し、最終的にかなわなかったものの早稲田の仏文を卒業。現在は塾を経営しているという経歴が『普通の主婦』ではないと。
小さな頃から勉強の仕方がきちんと身に付いているとか、受験で必要とされるレベルと自分の力の差を科目ごとに細かく分析&フィードバックできる能力を持ち合わせているという点は凡人とは全く違いますから、『普通の主婦が50歳で』ということばに釣られてこの本を手にとった人からしてみればなんだか騙されたような気分ですよね。
私も、はじめは自分の勉強に何か役に立つかなあ〜なんて思いながら読み始めたのですが、すぐに『これはうちの子どもたちにそのまま読ませたいわ!!』と思いましたもん。
まあコレに関しては見る人の気持ちひとつなのでどうでもいいとして、なるほどと思わされた批判は『ゲームのように受験したあげく若者の席を奪うのはやめてくれ』というもの。
この本を読んだ限りでは、彼女が東大に行きたいという理由はいまひとつよく分からず、結局のところ勉強することが好きで、試験にチャレンジして合格という結果を得ることで自分の存在感を確かめているように受け止めました。
それならそれで合格して辞退するという手もあるでしょうが、そこはやはり若かりし頃に手にできなかった切符、しかも勉強好きにとって東大というのは夢のような場所ですから辞退という選択肢はなかったのでしょう。
既に卒業していらっしゃるはずですが、今どんな気持ちで暮らしているのか、合格してから卒業するまでの間に自分の中で大きく変わったことは何か、是非聞いてみたいです。