原田マハと岩波ジュニア新書1冊ずつ【読書メモ】
またまた原田マハさん。
『暗幕のゲルニカ』と同じく美しき女性キュレーターが登場。
過去と現在の話が交互に登場しながら徐々に接点が見えてきて、最後にいろいろなことがダーッと繋がる展開も似たような感じ。
『またこのパターンか…』と思いつつも嫌いじゃないの、ぐいっと引き込まれちゃいます。
原田さんの表現て色彩感があると言うか、ふわ〜っと色が浮かんでくるのよね。さすがキュレーター。
どこまでホントかわかりませんが、アート界の裏側が覗けるのもまた楽しい。
こちらはYAコーナに並んでいた岩波ジュニア新書。
内容的には若い人(特に中高生)には是非とも知っておいて欲しいものでしたが、ジュニア向けというには文章がちょっと難しい感じがしました。
どのくらいの年代を想定しているのかな?高校生ならOKかしら。
話題の糸口は身近な例が多いのだけれど、硬い言葉や文章に慣れていないと投げ出されちゃうね。
何人もの方々が章ごとに分担して執筆していて、読みやすい章とそうでない章の差もあります。
執筆者のほとんどが大学教授又は准教授なので、大学生くらいの読者をイメージしている?。
少なくとも我家の中学生には理解不能だな。
挿入されているコラムはかなり柔らかいのですが、最終章なんか論文を『です・ます』調に直しただけじゃないの?というくらい硬い硬い。
国際的な条約や社会制度の話題が多いので正確な言葉を使う必要があるとは思うのですが、大切なことが書いてあるだけに『意識高い系』の子達だけでなく勉強や読書は苦手…という子達にも取っ付きやすい工夫が欲しかったなあ。
教育格差が情報格差に繋がることのないよう、大切なことほどできるだけ多くの子ども達に届くような本にして欲しいものです。