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丁寧な暮らし…って?【読書メモ】



最近よく耳にする『丁寧な暮らし』という言葉。

「手間をかける」「素材へのこだわり」「手づくり」方面と親和性が良いようです。

多いに気になる割には、ブログや雑誌で『丁寧な暮らし』という文字を見るとそっとページを閉じてしまう私。

だってね、時間がないと言うわりには手間ひまかけてるんだもの。

『フルタイムで働いているのに、こんなことまでやってるの〜!?』という方が世の中にホント大勢いらっしゃる。

この言葉にはほぼアレルギー状態ですよ。

静かにソフトにプレッシャーをかけられている感じが苦手なんだな。



そんな雑で面倒くさがりの私がこの本を読んでみたくなったのは(しかも数週間予約待ちしました。)タイトルに惹かれたからでしょうかね。

著者の暮らしぶりが『丁寧』と感じるかどうかは読む人次第。

全体的には「なるべく時間をかけずにキレイを保つ」や「疲れて帰宅してもパパッととりあえず1品」のための工夫という点が共感できるところ。

『雑な生活はよくないよ、もっと丁寧に暮らしましょうね』と言っているわけではなく『自分が気分良く暮らす』ために、この著者が心がけていることを書いてみたというコンセプトを感じます。

他人の目を意識してやっていることではないので内容に嫌味がない。

提案というよりは『自分はこれがラクな方法なのでこうしています』という内容なので、その中からマネできそうなことは取り入れてみればいいんじゃないかな。

生活の中でどのような部分にひと手間かけると気分よく過ごせるかは人それぞれなので、著者のやり方に全く共感できない人もいるでしょう。

あるいは『こんな程度のことしか紹介されていないのか』とがっかりする人もいるかもしれません。

私には抵抗なく受け入れられることが多かったです。考え方の基本が似ているのかもしれません。


すでに同じような工夫をしていたり、やり方は違うけど発想は同じというものもいくつかありました。

「使い捨てのボロ布をたくさん用意しておいて、ちょこちょこ拭く」とか「サボった分を取り返せるレスキュー方法を知っておくと安心」とかね。

掃除は毎日決めた時間だけというのも、自分ではあまり意識していませんでしたが実践していることでした。

掃除機をかけるだけで30分、の日もあればクイックルワイパーでさ〜っと済ませるかわりにガス台まわりをきちんと拭くとか、玄関周りとトイレ掃除で30分とか。

私の場合、トータルで1時間を超えることはほとんどなし。だいたい30分から1時間。


キッチン関係では『調味料や乾物用の保存容器はプラスチックではなくガラスやステンレスを』というところは多いに同感。

プラスチック製品は劣化するので捨て時を考えるのが面倒だし、油とホコリの混ざったベタベタが落ちにくいから却って手間がかかるのよ。

ガラスやステンレスならセスキスプレーをシュッとして布巾でさっと拭くだけでさっぱりするし、どうしようもない程放置してしまっても液体せっけんをつけてアクリルたわしで擦れば新品同様。

私にとっては100円のプラスチック容器を10回買うより、1000円のガラス瓶を1回買う方がよほどストレスフリー。


小さな掃除を毎日するという点だと、皿洗いの最後にシンクの中をタクリルたわしとセスキスプレーで擦っておくことが私の小さなこだわり。

ざらっとした感じが残っていると次に使う時にとても気持ち悪いので面倒だとは思わないの。作業の流れの中に組み込まれちゃってるからわざわざやっている感もないしね。


ゴミ出しの日にゴミ箱を拭くというのは取り入れてみたいと思ったことのひとつ。

あとは大根をたっぷり茹でておくというのを、早速今朝実行。近所でいただいた大量の大根をどう処理しようと思っていたのよ。

今夜は大根の煮物だね。


やってみたいことと、これは私にはムリということを分けながら、気になるところだけパパッと読むだけでもいいかな。

もしかしたら今は全く取り入れる気にならなくても、自分の生活のリズムが変わったら参考になる部分も多いのではと思いました。

著者のように果物はコンポートにするとか台所シンクの排水口トラップを毎日洗う、なんていう部分はムリだけど、小豆を煮てあんこを作るのは甘いもの食べたさで苦にならない。

結局のところ、自分が気分よく生活するためにどの程度の手間なら許せるかってことかなあ。

『丁寧な暮らし』ブームのそこはかとない気持ち悪さは、目的なのか手段なのかも考えずにオシャレな感じがするからやってみる…というところにあるのではないかと。



余談ですが、写真に登場する著者の愛用品は品質の良いこだわりの品々。

ブラバンシアのゴミ箱やラバーゼの水切りカゴ、STAUBの鍋、料理がドンと盛られた大皿も作家ものの陶器だよね。

欲しいなあと思いつつその値段に手が出ない生活雑貨がさりげなく登場しているの。

これひとつあれば!というパンツやワンピース、アクセサリーなどもはシンプルでおしゃれだけど、田舎に暮らす私にはどこで出会えば良いのかしら…というものばかり。


やはり気分よく暮らすためにはお金も必要なんだね…ということを改めて実感させられる本でもありました。

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