文庫だとこちら
このところ立て続けに読んでいる原田マハさんの短編集。
これまでに読んだのはこちら。
原田マハつづき【読書メモ】
原田マハと岩波ジュニア新書1冊ずつ【読書メモ】
旅行のお供に読んだ本【読書メモ】
戦争とゲルニカと広島と【読書メモ】
明治時代の弘前という設定で描かれる『奇跡の人』【読書メモ】
どれも大切な人に言えない暗い秘密を持った女性が主人公です。
家族と平穏な暮らしをしている女性が、出勤途中に辛い生い立ちを思い起こす『天国の蝿』。
安穏と浮気をしている妻が、事故で意識不明になった夫の隠し事を知る『ごめん』。
不倫と仕事と突然乳がん宣告、夫の不倫、仕事の相棒への気持ちが交錯する『夏を喪くす』。
9.11で亡くした友人との辛い思い出をたどる『最後の晩餐』。
どれも『こんなことないでしょう〜?』というような設定なのに不思議と現実味があってちょっと怖い。
なんというか、ドロッとしてるのね。
これまでたて続きに読んできた原田マハさんの作品と同じようなものを期待しながら読み始まったのですが、最初の『天国の蝿』を読み始まったら、どよ〜ん。
寝る前に布団の中での読書には向きません。途中で読むのやめたくなっちゃった。
もうひとつ主人公女性の描き方として気になったこと。
4つのお話のうちひとつは、貧しさのために大学進学をあきらめ平凡な事務員をしている女性が『家庭のよき妻・母』として描かれているのに対して、他の話に登場するキャリアウーマンはDINKSもしくは独身の女性で、大胆な不倫をしていたり友人の想い人を寝取ってしまったり。
男性目線かと思っちゃうようなステレオタイプな人物設定がちょっと気に食わないの。
一応全部読み通しはしましたが、どの話も入り込めなかった。若いときに読んだら違っていたかもしれませんが。
あと作品の感想とは全く関係ありませんが、Amazonの【内容紹介】が間違っています。
内容紹介
あなたに、伝えようと思う。 危篤の夫の口座に毎月振り込まれていた謎のお金。振込み人を探して妻は高知へ。静かな町並みに響く路面電車の音。女が覚悟する瞬間だった──表題作ほか3編収録
夫の口座に毎月振り込まれていたお金、ではなく、夫が誰かに振り込んでいたのを知りその相手を探す旅に出るという話です。
なんでこんな正反対のことがかかれているんだろ。