関係性の貧困から生まれる不幸を考える。【読書メモ】
この著者のことをあれこれ悪く言う人も多いようですが、自分の経験から得た問題意識をきっかけにまずは動き出していることが素晴らしいと感じます。
しかも意見の表明の仕方として出版という形をとるというのも評価すべき。若い女性が顔も本名も出してこのような活動をするのは危険もともなうし、実際に嫌な経験もしているそうです。
ツイッターや書評など匿名の場で重箱の隅をつつくような批判をする人の多い中、その勇気と行動力に拍手したい。
著書のレビューやこの方の名前で検索すると出てくるサイトを読んでいると、女子高生の方に非があるような意見や、一部分だけ見て揚げ足取りするような意地悪な意見も多いのね。ちょっと驚き。
しかも男性と思われる方のレビューに批判的なものが多いのも、なんだかなあ…という気がします。
伝わらない相手に費やす時間とお金、エネルギーが凄く無駄!と言い、とにかく『つらい思いを抱えた10代の女の子を支える場所を』と自分の信じる道を突っ走る姿に、日本の若者も捨てたもんじゃないね、と思うのでした。
村木厚子さんや瀬戸内寂聴さんが展開している『わかくさプロジェクト』が、支援を目的としており、つらい状態に置かれている女性達を支援者(組織)へ繋げていこうとしているのは、やはり様々な経験・人脈・社会に与える影響力の強さがあるからできること。
このような人達には政治をも動かすような大きな役割を担っていただきたいです。
一方、仁藤夢乃さんの活動は当事者目線。少女達の居場所の選択肢を増やし、もし求められれば年齢の近い女性としてそばに寄り添うよ…という『上からじゃない』目線。
東京都の支援などを受けてはいるようですが、当事者目線でしかできない活動を担っています。。
順調なレールの上をきちんと歩いて来ただけの大人には真似できない大事な役割がある。
自分が何も出来ないことが情けないですが、まずは知ること・問題意識を周囲と共有することから始めたいと思わされました。