【レポート合格その2】児童サービス論(6)ー司書課程受講物語 (77)ー

『児童サービス論』のレポートの続きです。
 
 
 
 
第2課題
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【第1設題】 子どもにとって読書はなぜ必要か、できるだけ自分の体験をふまえながら
論じなさい。
 
 
【はじめに】
 子どもと読書について考えるとき、読書によって得られる表面的な効果・利点といった視点で語られることが多いのは残念なことである。こどもに本の世界を手渡す者として、彼らの成長にとって読書がなぜ必要なのか、おとなになってからの読書と本質的に何が違うのかを考えたい。
 
【本文】
 おとなが本を手にとる時、娯楽や楽しみのためであったり、教養を深める、情報を求めるなど、たとえ無意識にせよ目的が具体的であり自分の要求に合った本を探すはずである。一方子どもにとっての読書とは、わくわくしながら未知の世界を楽しむことではないだろうか。赤ちゃん絵本を乳児が眺める時や幼児が耳からお話を聴く時、そして自分で文字を読めるようになってからも、絵本・物語・知識の本に関わらず、それらを通して新しいものに出会い自分の世界を広げることを楽しんでいるのだと感じる。子どもの成長は心の中の地図を日々更新することだと考えれば、未知の世界を覗く扉であることが彼らにとっての本の役割である。
 
 次に言葉の獲得という点で考えたい。幼児期に耳からの読書を重ねる中で、子ども達は『ことば』が本の世界を楽しむのに必要な道具であることを知る。そして日常生活では出会う機会の少ない独特の響きを持った音韻やよく練られた言い回しに触れることで、豊かな言葉を身につける。言葉と上手につき合えるようになるにつれて物事を順序よく理解したり、目では見えない事象や他者の気持ちを想像することができるようになる。子どもの日常を見ていると、言語能力の高い子どもは総じて集団内での振る舞い方や学習能力に優れていると感じることが多く、読書を通じた豊かな言葉の獲得が「生きる力」を育む基礎になっているのである。
 
 さて、幼児期の読書を通じて未知の世界の扉を開くことを知り言葉という道具を身につけた子どもは、ある程度の年齢になると本の世界を自由に歩き回れるようになる。物語の中で現実の世界では起こりえないような出来事に遭遇し、物語の主人公とともに現実世界とは別の自分を生きることはその後の人生に少なからぬ影響を与えるかもしれない。我々にとって様々な体験をし多様な価値観に触れることは心豊かな人生のために大切なことであるが、実生活では限りがある。地理的・経済的に制限のある子どもにとってはなおのこと本を通じて得られる体験が重要なのだと考える。
 
 子ども時代にたっぷりと読書の楽しみに浸った経験は、おとなになって困難にぶつかったときに本がそれを乗り越える助けになることを思い出させてくれるはずである。
 子どもにとって読書の大切さとは、本が生涯にわたって多くの価値あるものを与えてくれる存在だと人生の早い時期に知ることと、先入観なしに新しい世界を味わうという子どもならではの経験を得ることにあるのではないだろうか。
 
 
【おわりに】
 子どもに読書を勧めようとするとき、私がいつもぶつかるのが「子どもにとってなぜ読書が大切か」ということであった。自分の中で自然に育っていた「読書はよきものである」という感覚は言葉にしようとすると何か違うものになってしまい、はっきりとした答えを得られずにいたためである。今回このテーマについて考える中で、年代に関わらず読書を通して得られることと子ども時代の読書でしか獲得できないものがクリアになり、赤ちゃんからティーンエイジャーまであらゆる世代の子どもに本の世界を手渡す重要性を一層深く認識することができたと感じている。
 
 
【講評】評価:B
 こちらも上記と同様ですが、文献の引用はご自身の意見を裏付けるように引用できているとよりよいです。
 
 
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【レポート合格】児童サービス論(5)ー司書課程受講物語 (76)ー

7月中旬に提出した『児童サービス論』のレポートが返却されてきました。
 
児童サービスは一番好きな分野なので学習自体はとても面白かったのですが、レポートとしてまとめるのはとても難しくて….。
 
同じことを言葉を換えてぐるぐる書いているような、結論がいまいちはっきりしない、納得いかない感満載の超苦しい仕上がりのまま提出してしまったのです。
 
 
さらには、先日のスクーリングで『落とされた〜!』という方が何人もいたので私もほぼ再提出覚悟で返却を待っていたのでした。
 
既に9月の科目終了試験は申し込んでしまったのですが、不合格だと試験を受けることができません。
 
いっそ返却が遅れて試験より後になってしまえば、暫定で受けることはできるのでそうなってくれた方がマシ…。
 
 
 
などとつらつら思っていたところへ早々に返却。
 
ドキドキしながら開封すると『合格』に◯がついていてほっとしました。
 
 
恥ずかしいのはヤマヤマですが、何かの参考にしてくださる方もいるかもしれないので今回も公開。
 
 

第1課題
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【第1設題】 児童図書館員の専門性について、各自の考えを述べなさい。
 
 
【はじめに】
 子どもにとって本とは、未知への扉を開き広い世界の存在を教えてくれる存在である。本との出会いを作り読書を通して彼らの成長を助けること、生涯を通じて自ら学ぶ力を獲得することを支援するために、児童図書館員に求められる専門性について考える。
 
 
【本文】
 児童図書館員にとって、子どもと本が好きであることのはもちろんのこと両者を結びつける情熱が最も大切と考える。それらの基盤に立った上で、図書館の児童サービスに要求されるスキルを、児童図書館員の専門性として以下の3点にまとめた。
 
1.子どもをよく知ること
 子どもの成長を助ける支援者であるためには「子どもとはどのような生き物であるか」を知っているが必要である。図書館ではサービス対象としての年齢を、乳幼児(0〜3歳程度)、児童(就学前〜小学生)、ヤングアダルト(中高生)といった程度で区分していることが多い。しかし子どもの精神的発達は個人差があり思春期であれば男女の精神年齢差も大きい。また何らかの原因で定常的な発達曲線に乗らない場合もあるため、ひとりひとりに適切な対応を行うには、子どもの発育と学習について広く学び十分な知識を身につける必要がある。また近年の子どもを取り巻く社会環境の変化は著しく、養育者の経済的・人種的背景も多様化している。何らかの事情で学校に行けないなど大人からの支援を十分に得られない子どもも増えているため、彼らの置かれた状況に対する細やかな観察と理解も欠かせない。
 
2.子どもの資料をよく知ること
 それぞれの子どもに適切な資料を手渡すには、それらを判断し選択する力を身につけていなくてはならない。時代に応じた適切なコレクションを形成するにあたり、
大人向けの資料と同様、内容が正確であることや多様な価値観を反映したものが選ばれねばならないが、知識や経験のまだ少ないこども向けの場合は特に注意を払うことが求められる。またことばの理解に幅がある点を考慮し、その年齢にふさわしい形態を選択することも留意べき点である。子ども向けの資料を評価する力を養う方法として、まずは長く読み継がれてきた作品をよく読みその魅力を自ら体験すること、その上に児童文学論などで得た知識を重ねる。古典と呼ばれる作品の大切なエッセンスを抽出できるようになることが、新しく出版される作品を評価する力にもなると考える。
 
3.子どもと本を結びつけるスキルを持つこと
 子どもに本の世界を手渡す方法として、フロアワーク、レファレン、ブックリスト作成、展示、よみきかせ、ストーリーテリング、ブックトーク、映画会・人形劇・工作などの行事運営がある。これらのサービスは技術的な巧拙に目を向けがちだが、目的はそれらの活動を通して本や図書館が「よきもの」であると伝え、読書の楽しみを子ども達に知ってもらうことである。多くの事例に触れ研究・経験を重ねることで技術の向上を心がけ、この目的からはずれることなく子どもに向き合いたい。
 
 
【おわりに】
 過剰に視覚的なメディアに慣れた最近の子どもにとって、耳からの読書は楽しめても文字からイメージを膨らませる力が必要な目からの読書はハードルが高くなっている。しかし「読む力」は思考力や想像力の基礎であり、読書力の低下は看過できない。その点からも、子どもを本の世界へ誘い読書習慣を身につけるよう支援する専門家としての児童図書館員の責任はより重くなっていると感じる。
 
 
以上
 
 
【講評】評価:B
 複数の文献を参照して引用し、考察していてよく書けています。引用は「」などで囲み自分の分と明確に区別できるよう書くとより良いです。
 
 
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この『引用を「」で囲む』というのが私は苦手なんですよ…。
 
いろいろな文献を読んでいるうちに全部がごちゃごちゃに自分の中で混ざり合い、まるで自分の考えのようになってしまっているので、どこからが引用でどこからが自分の考えなのかがもはや分からず…。
 
レポートの書き方の本などにも、この『引用部分をきちんと書き分ける』ということは必ず書かれていますが、はっきりと「この部分を引用したい」というケースでない場合はどうしたらよいのでしょうかね…。
 
 
 
 

レポートのキロクもういっちょ 情報資源組織論 (5)  ー司書課程受講物語 (70)ー

昨日の続き『情報資源組織論』の第2課題です。
 
講評によると、どうも設題の趣旨とはトンチンカンなレポートになっていたらしいです。それでも大マケにマケて合格点をいただいてしまいました。
 
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【第2課題】 目録の機械化・ネットワーク化とは何か、またそれによって図書館サービスはどのように変化したか、さらには今後の展望・課題について考察しなさい。
 
 
【はじめに】
 蔵書や利用者に関する大量のデータを管理する図書館にとって今やコンピュータは不可欠となっている。特に目録の機械化とネットワーク化は図書館業務に大きな変化をもたらした。コンピュータ利用が図書館サービスに与えた影響と今後の展望及び課題について以下に述べる。
 
 
【本文】
1)目録の機械化
 目録は書誌と所蔵に関するレコードからなるデータの集合である。レコードはルールに基づく複数の要素で構成され、それらの要素を手がかりに資料検索を行う。かつて主流であったカード目録は、各資料に対して標目を定めその数に応じてカードを作成する。一方現在広く使われている電子目録は、資料毎にひとつのレコードを作成すれば、目的に応じてソート(並べ替え)ができる。コンピュータ処理の為には、資料情報の各要素に識別子(タグ)を付与した機械可読形式(MARC)レコードを作成する必要がある。MARCレコードをデータベース化した電子目録をオンラインで公開したのがOPACである。
 目録の機械化による利点として、1つの資料につき標目の分だけカードを作成し排列する手間の削減、カードの維持保管に必要な場所と費用の節約があげられる。またMARCレコードは容易に複製できるため、集中作成されたレコードの配布や、複数館が共同でレコードを作成・利用が可能である。利用の観点からは、アクセスポイントの増加が最大の利点である。作成の手間や保管スペースの都合でアクセスポイントの数が限られるカード目録に対し、電子目録はレコードに含まれる全ての要素がアクセスポイントとなり得る。また複数の要素を掛け合わせることで検索結果の絞り込みも容易である。
 
2)目録のネットワーク化
 インターネット網の発達に伴い、各館のOPACがインターネットを介して広く公開されるようになった。全国の公共図書館・大学図書館OPACに直接アクセスする他、総合目録データベースを利用し国内の蔵書を容易に検索できることで、貸借依頼や複写依頼などの図書館間協力業務の効率が大きく向上した。
 
3)利用者サービスはどのように変化したか
 図書館内で利用者がOPAC検索をする姿は当たり前の風景となった。膨大な数のカードを繰ることなく容易に望みの資料を手にできることは、より気軽により多くの情報を得られることに繋がる。現在ではOPACに貸出情報や予約機能を付与する館も多く、パソコンや携帯端末から時間・場所を問わず利用できるなど利用者サービスも格段に向上している。
 
4)今後の展望と課題
 次世代OPACの課題としては、検索機能の強化と電子資料の充実がある。検索機能ではGoogleやamazonに見られるような自然語での入力、予測変換、曖昧検索といった検索操作面での強化と、リコメンド機能など表示内容の範囲拡大があげられる。電子資料については、電子書籍による貸出や、古文書・地域資料・研究報告のように流通に乗らない資料を積極的にデジタル化し公開することが大きく期待される。
 
 
【おわりに】
 目録の電子化に始まるコンピュータ利用は、記憶媒体の大容量化と高速通信化を追い風に図書館サービスを飛躍的に向上させた。個々に資料を収集・管理していた図書館や研究機関がつながったことで、一般の利用者も思いがけない資料に出会えるようになったはずである。将来的にはシステムの存在すら感じさせず、一元的に資料情報を検索し、シームレスに資料を入手できる仕組み作りが期待される。
 
 
【講評】評価:B
 図書館の機械化・ネットワーク化、例えば「MARC」、「OPAC」、「書誌ユーティリティ」とは何なのか。そして、それらの図書館サービスへの影響について言及するという本レポートのテーマに充分答えているとは言えないが、OPACについては良く述べられており、大枠での理解がなされていることは読み取れました。

レポートのキロクさらに 情報資源組織論 (4)  ー司書課程受講物語 (69)ー

未公開レポートがまだありました。

科目終了試験もスクーリングもすっかり終わり忘れた頃に返却されてきた『情報資源組織論』です。
 
第1課題
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【第1課題】 情報資源組織法の目的・意義およびその方法について、今日の図書館サービスとも関連させ考察しなさい。
 
 
【はじめに】
 図書館にとって、資料管理と利用者サービスに不可欠な情報資源組織について、その目的と意義、方法について以下に述べる。
 
 
【本文】
1)情報資源組織の目的と意義
 利用者や図書館員が情報を求めて探索する際に、膨大な資料を効率よく短時間で検索できる仕組みを作ることが「情報資源の組織化」である。情報そのものではなく、それらが含まれる大量の資料を一定のルールに基づいて整理分類することで秩序や構造を与え、検索・利用可能な状態にすることが情報資源組織の目的である。
 たとえ小規模な図書館であっても、数万冊単位の蔵書を有することが多く、資料検索ができなければ館内閲覧・館外貸出・レファレンスサービスといった図書館の基本的なサービスの提供が成立しない。
 
2)情報資源組織の方法
 図書館の資源組織は資料の選択・収集に始まる。入手した資料は主題や形態、利用対象など館の性格に合わせた形で分類・配架する。この分類・配架にあたっては、分類順(主に主題による分類が用いられる)に配列する「書架分類法」と、資料が持つ情報を用いる「目録法」がある。
 前者は、主題による分類記号または独自のテーマ(郷土資料や館オリジナルのテーマ)に基づいて資料を排列するもので、利用者が比較的容易に目的の資料を探しその場で選択判断できる。現在の公共図書館は大部分が開架式であるため「書架分類法」による配架が行われている。しかしながら、この方法はひとつの資料にひとつの分類しか与えられない(1箇所にしか配架できない)こと、閉架書庫にあるものや貸出中の資料は探し出せないという短所がある。その短所を補うのが目録法である。書誌情報に所在情報を加えた目録は「物」である資料の代替物であり、資料に関する複数の要素を盛り込むことができるため、主題・タイトル・著者・出版者など複数のアクセスポイント(標目)から検索可能である。また、現物が書架になくとも利用者がはその資料の存在をしることができる。現在ではカード式目録に代わりMARCレコードを用いた電子目録が主流となっている。目録には主題・タイトル・著者・出版者・出版年・版情報・大きさ・記録媒体の種別や形態といった書誌情報の他、分類番号や配架場所を記載する。書誌情報はJAPAN-MARCやTRC-MARCからのコピーカタロギングが進んでいるが、館内での所在の情報は、視聴覚資料・児童書・参考資料などその館独自の配架方針に沿って付与する。
 目録作成と同時に、資料と目録を紐づける作業を行う。蔵書印・資料番号・分類番号の他、別置や禁帯の表示をして初めて利用者に資料提供ができる。
 近年の資源組織の課題としては、CD・DVDのような電子メディア及びインターネット上に公開されたネットワーク情報資源がある。電子メディアの閲覧は再生機器に依存することから、機器の整備体制も含めて考えなくてはならない。またネットワーク情報資源には所蔵という行為が存在せず、上書更新される性質のものであるので、収集日時やURLの記載が必須である。
 
 
【おわりに】
 多様な情報資源を収集・保存する一方、それらを利用に供するための組織業務は図書館の重要な責務である。
 近年ではコンピュータやインターネットの発達に伴い、情報資源の範囲は拡大し、資料検索に対する利用者の要求も広がっている。図書館員は多種多様な資料を多角的に把握し、利用者の要求にいかにして応えるかという視点で資源の組織化にあたることがますます求められる。
 
 
以上
 
 
【講評】評価:B
 現代の図書館サービスにおける情報資源組織の意義について概ね理解できていると思われます。あえて付け加えれば、情報資源組織の意義及びその方法についてはしっかりと述べられていますが、情報資源組織と図書館サービスについての記述がもっとあればさらに良いレポートになったと思います。
 
 

レポートのキロク-その2- 図書館サービス概論 (9)  ー司書課程受講物語 (68)ー

昨日の続きで『図書館サービス概論』のレポート公開、第2設題です。
 
 
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【第2課題】 図書館は、多文化サービスとして、どのような活動をすべきか述べなさい。
 
 
【はじめに】
 異なる文化的背景を持つ人々が共に暮らす社会のあり方として、ひとつにはグローバル化という言葉で表される国境や民族を越えた画一的でフラットな社会がある。一方、異なる言語や文化を互いに尊重し共生する「多文化社会」という考え方がある。後者の立場から、図書館行うべき多文化サービスについて考えたい。
 
 
【本文】
 日本では、単一言語・単一民族国家を前提とした社会が成り立ってきた。しかし実際には、在日韓国・朝鮮人や日系ブラジル人をはじめとする外国からの移住者とその子孫、日本の先住民族であるアイヌなど独自の言語・文化を持つ人々が居住している。近年、このような民族的・言語的マイノリティの知る権利の保障について認識し、正当な利用を妨げない環境づくりの重要性に目が向けられるようになった。図書館が果たす役割としての多文化サービスを以下の3点に分けて考えた。
 
1)ソフト・ハード両面での受け入れ態勢について
 ソフト面で最も重要な点は職員の意識である。異なる文化を持ち日本語以外の言語を母語とする利用者を特別視することなく、普段通りに利用者が求めるものを知り最良のサービスを提供しようとする態度が大事なのではないか。このような意識が資料収集や集会・広報活動を行う際に判断の拠り所となるはずである。一方ハード面では、館内サイン表示の工夫と利用案内・掲示物の多言語化がある。特に館内の案内表示については、誰もがひと目で分かるピクトサインがベストと考える。これは、識字率の低いメキシコの公共施設で目にしたピクト表示が、言葉の分からない旅行者にも大変役立った自身の経験からである。また複数言語での利用案内や掲示物を作る際には、潜在利用者も含め必要とされる言語を十分に把握検討し、地域に住む外国人の協力を仰ぐことが重要と考える。
 
2)資料の収集について
 まず新聞や雑誌などカレントな情報に触れることのできる資料が必要である。その国で広く読まれている雑誌や小説、映画DVDなど、母国では当たり前に手に取れる資料を揃えたい。また、日本の文化習慣や日本社会での暮らしに必要な情報がその国の言葉で書かれた本も必要である。加えて、彼らの文化や歴史をその国の言語と日本語両方で著した資料を揃えることは日本人の異文化理解を深めるためにも役に立つはずである。これらの資料を集めたコーナーは目につきやすい場所に配置し、複数の言葉での案内表示をつける。日本人を含めた利用者全体に多文化共生のメッセージを送ることを意識したい。
 
3)集会・行事の開催
 マイノリティの人々が参加できる行事を開催し、図書館が多様な人々の交流の場であることを積極的にPRする。特にこどもが参加しやすい工作教室やお話会などの行事は、参加したこどもだけでなくその親達にとっても図書館に関心を持つきっかけとなるはずである。その他、通訳付きの図書館ツアーを開き館内や利用方法を彼らの母語で説明することや、外国の絵本をその国の言葉でよみきかせる機会を設けることが考えられる。
 
 
【おわりに】
 多文化サービスは、乳幼児や障害者に対するサービスの延長である。たとえマジョリティ層の利用者であっても、個々人を見れば多様な生活背景があり身体的・精神的差異を有している。国籍・母語・文化的背景にかかわらず地域に居住する全ての人々が自分の居場所と感じられる図書館にするためには、「違い」を当然のこととして柔軟かつ多角的な視点に立ち、資料収集、広報活動、行事・集会の企画運営にあたることが重要である
 
以上
 
 
【講評】評価:A
多文化サービスへの基本的な考え方とサービスの方法についてよくまとめられています。この上に現状を把握したレポートの内容があるとさらに学習の成果が顕著となる内容と思われます。