【真ん中から貼るブッカーの掛け方】その1

【ブッカー】 x 【掛け方】のワードで検索して来られる方がいらっしゃるのですが、参考になる記事がなくて申し訳なく思っていました。
 
そこで一念発起(大袈裟だな)、私がやっている方法を記事にしてみることにしました。
 
動画から取り出した静止画を使用しているのでピンぼけも多いのはご容赦ください。
 
写真が多くページが重くなるので、何回かに分けて掲載します。
 
【1.道具】


ハサミ:フッ素加工などノンスティックのもの。先端は丸くない方が使いやすい。
ハサミは作業性を左右するので、使いやすいものを1丁用意すると良いと思います。
 
私の愛用品はこちら↓。この値段で切れ味も素晴らしく、ノンスティックで切っ先の丸み具合が丁度よいので、私にとってブッカー掛けの必需品。
 
前にもこのハサミについて書いています。


こちらも切れ味がよくお気に入り。↑のGBS-600GLはブッカー専用としているので用途によって2本を使い分けています。

定規:長さ30cm程度。プラスチックでも竹製でもOK。
スキージとして使用します。100円ショップのものでも問題ありませんがペラペラしていると貼りづらいので、ある程度厚みのあるしっかりしたものを。
 
必要に応じてカッターとカッターマットも。
 
 
【2.本の用意】

一旦ジャケット(カバー)を外す。
 
ジャケットのソデの幅が広すぎるときは、余白を切り落としてもOK。
 
この本は切り落とす程でもなかったのですが説明のためにちょっと幅を詰めてみました。

ジャケットソデの上下を5mmほど斜めに切り落とします。

見返しの接着面積を広げるためと、貼った後に袖/見返し部分がぶかっと袋状になってしまうことを避けるため。
 
何冊も貼る場合は、この作業を先にまとめてやってしまうのがオススメ。
 
カットし忘れていると、フィルムを貼っている最中に切らねばならず大変やりにくいし、切りカスがフィルム面に貼り付いてしまうこともあるので。
 
4カ所切り終わったらジャケットを元通りに本に戻しておきます。
 
【3.フィルムの用意】

本のサイズに対して、上下左右それぞれ2.5〜3cm大きく切り出します。

表紙を上にし左端の位置を決めたら、背〜表紙を下へ、とぐるりとひっくり返していくと、<本の幅x2+背の幅>を簡単に決められます。

右端も左と同じだけの余白をとってハサミでカット。


上下にも左右と同じだけ余白をつけてカットしたらフィルムの用意はOK。
 
 
切る作業全てに共通のことですが、「チョキチョキ」ではなく「シャー」っとハサミを滑らすように使うと作業しやすい上に切り口がキレイ。
 
次はいよいよフィルムを貼っていきます。
 
【真ん中から貼るブッカーの掛け方】その2へ続く。
 
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ブッカーの掛け方あれこれ。【備忘録】

図書館の本には透明の粘着フィルム(通称ブッカー)が貼付けられており、大勢の人が扱うことによる汚れや傷みから本が守られています。
 
ところがこのフィルム、結構なお値段がするんですよね。
 
そのために予算が厳しい公立の学校図書館ではフィルムがかけてありません。私がボランティアに入っている小学校ももちろんかかっていません。
 
ですから、絵本にもともとかかっているカバーはビリビリに破れ、ちょっと古い本は背の上部や本の角がどれもこれもボロボロ。
 

ところが今年度の予算で、一部の本にフィルムをかけることができるようになったのです。
 

支援員さんの判断でチョイスされた本に順次ブッカーをかけていきます。そのお手伝いができるようにと、私も昨年の秋にやり方を教えていたきました。
 

もともとかかっているカバーごと本をくるんでしまう方法は、何冊かやっているうちに慣れてある程度出来るようになってきました。
 
ネットでも結構ブッカーの掛け方の動画などがアップされているので、いろいろと勉強することができますが、ちょっと困るのは特殊な装備が必要な場合。
 
ちなみに、分類ラベルやバーコード貼ったり、蔵書印の押印、ブッカーをかけたり、付録がなくならないようポケットをつけたり、仕掛け絵本の壊れそうな部分を予め補強したりといった、本を棚に出す前にする諸作業のことを装備といいます。こちらが参考になります
 
 
例えば、表紙を開いてすぐのところに大事な情報が書いてある本がありますよね。迷路やクイズ、なぞって何かの型紙にできるような図面(?)とか。

そのようなとき、カバーごとまるっとフィルムを貼ってしまうと本体に近い側は見えるけど表紙裏はカバーの袖に隠れてしまいます。

 
ですからそのような本のカバーの袖は表紙に貼付けずびらびらさせたままにするなど、ブッカーの掛け方も本によってちょっとずつ異なるのです。

 
 

このようなちょっと変わった形態の本の装備方法は、図書館の方がそれぞれ独自の工夫をされているのでしょうか、ネット検索してもあまり出てきません。
 

ですから、たまに図書館でそのような本に出会うとついつい細かいところまでチェックしてしまいます。
 

ちょうど先日借りた本が、カバー裏が型紙になっているタイプのものでカバーをベローンと外して裏側を見ることはできるのですが、本体から完全に取れてしまうことのないように工夫されていたので、備忘録としてここに残しておきます。
 
 

表紙側のカバー袖

 
表紙側カバー袖の裏側

 
裏表紙側カバー袖

 

カバー裏(型紙になっている)の背にあたる部分

 
カバーを外して裏(型紙の部分)面を広げたところ

 
カバーをもとに戻した状態

 
 
 
隅々まで丁寧にフィルムが貼られていて、とても参考になりました。

 
毎日毎日このような作業をしている図書館員さん(はたまたTRC社員?)がいるんですね〜、尊敬!!
 
 
 

本の修理、覚え書き。【Before → After】

県立図書館の読書フェスティバルに合わせて開催される『本のお医者さん』。
  
今年も小学校の壊れた本を持って行ってきました。
  
昨年初めて参加してみたらとても勉強になったので、今回はボランティア仲間を誘って2人で参加。1人2冊まで持ち込めるので、それぞれ壊れ方の異なる本を合計4冊持ち込みました。

  
  
以下【Before → After】です。
自分が作業を忘れない為の覚え書きのようなものなので、書いていることが意味不明かもしれませんがご容赦ください。

  
まずは一番壊れ方の軽いこちらの本。


ページのゆるみと軽いワレのみなので当該ページのノドに細く糊を入れます。はみ出した糊がページを汚さないようワックスペーパー代わりにブッカーの裏紙を挟み、その紙がズレないようにそっと本を閉じて背の溝に沿ってクリップで留めます。
  
そうそう、このときに使う糊はかなり薄いもの(振るとシャバシャバするくらい)。先の細いプラスチックの容器に入っているので直接ノドに当ててスーッと糊入れします。
  
一日経ってクリップをはずしたのがこの写真。

あ〜!くっついていないというよりは、ノリの入れ忘れですね。
 
 

こちらはばっちりくっついています、良かった。
 
 
 
次はこちら。全体的に全く傷んでいない新しい本なのに、なぜか綴じ糸がすべてぼろぼろに切れていて中身と表紙が完全に分離しています。

修理法としては、中身を綴じ直して表紙につけるのだろうというところまでは想像できます。
 
でも昨年教えていただいたような、本文と見返し用紙の間のノドを剥がせるタイプの造りではないので、どうやって寒冷紗と表紙を合体させるのかしら???と思っていました。そしたらなんと!!背の真ん中に当たる部分ザクッとカッターを入れて切り開き左右に剥いていくそうです。最初の内はおそるおそる刃を当てていたのですが、寒冷紗が渡っているせいか思い切りよく刃を入れないと切れないようです。
 
途中でちょっと思い切って刃を差し込んだら背の厚紙までざっくり切れてしまったのですが、竹ひごの先でちょんちょんと糊をつけてOK。
 
それにしてもきれいな状態の本を壊すというのはドキドキします。『慣れればどうってことないわよ〜』と先生。
 
本文は一折の中綴じ。穴がきれいな状態なので、そのまま使い並縫いの要領で縢ることになりました。5cm幅くらいの寒冷紗を背側に重ねて一緒に縫い付けていきます。
 
最初は背側から針を入れ、穴から外れないように慎重に針を運びます。寒冷紗が重なったところは針穴がよく見えないし、すぐにズレちゃったりで結構難しい。
 
『最初に紙と重ねた状態で針穴の位置に穴をあけてしまっておけばよかったね』…と通りがかった別の先生に声を掛けられて、なるほどなるほどと頭の中にメモ。

 
本文を縢り終えたら、表紙と合体させていきます。まずは見返しを剥がした厚紙部分に糊を塗ります。背には塗らないように、でも塗り残しのないように、特に溝となる部分(内側から見ると山になっている)は忘れやすいので気をつけて。
  
そっと本体をのせて羽状の寒冷紗を貼付けます。上下左右がズレないように確認したらその上にも糊をたっぷりと塗り見返しをきれいにかぶせます。布の端切れを使って丁寧に押さえ溝の凸凹もきっちりと貼り付くように。
  
はみ出した糊が悪さをしないようにブッカーの裏紙で作った帯を挟んだら、反対側も同じ作業の繰り返し。厚紙に糊→寒冷紗を乗せ→糊→見返しを戻すの手順です。そのとき左手は表紙と本文を全部合わせて立てて持っています。
  
このときに手でもっていると上下の左右がどうしてもズレてしまうので、クリップで留めたり誰かに持っていて貰うと確実かも。
  
両方が終わったら溝に合わせてクリップで留めて作業終了。

  
このときの糊は結構どろっとしています。先生曰く『マヨネーズ状』。ビニダインとヤマト糊が1:1。刷毛はビゲンのへアカラーに付属のものが意外とオススメだそう。
(今探してみたら、このタイプのハケは『クリームトーン』という商品にしか付属していないようです。結構レア物ですね。)
  
今回は背にクータを入れないので、背表紙と本文の間に糊がまわってくっついてしまわないよう、細いワックスペーパーを挟み込んでいます。ほお〜!

  

これも例によってブッカーの裏紙を利用した物で、短冊状の紙を背幅程度の三つ折り(クータと同じ形)にしてあります。

  
  
  
翌日。ドキドキしながらクリップをはずします。

お、くっついている。切り裂いた溝の切り口があまり美しくないけど、あとからちょっと糊をつけて形を整えればよいかな?
  

こっちはちょっと切れ目の隙間が大きいけれど、糊でなんとかなるかな?ノド用の布テープがあればよいのかな…。でも絵が隠れちゃうのでページヘルパー?それともブッカーを帯状にする?

  

  
  
あと2冊は時間がかかるので『お預かり』で修理してくださるそうです。その本を取りに伺う時に聞いてみようかしらね。
  

  
  
学校の本が少しでも補修できるようになると嬉しいです。特に数の多い背の壊れと糸綴じのゆるみは、少しづつチャレンジしていこうと思います。
  
  

本の修理ネタ続きでこんな本【読書メモ】

本の修理ネタ続きで、読書メモもこんな本を。
  
図書館で借りて読んでいるうちに、手元に置いておきたくなり購入したもの。
  
  

図書の修理 とらの巻
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いままで手にとってみたことのあるのはこんな感じの本です ↓ 。

どれも基礎からきとんと書かれてはいるのですが、いかんせん素人には取っ付きにくいというか本格的すぎるというか….。
  

図書館員のための図書補修マニュアル
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それにくらべ、今年の春に出版されたばかりの『図書の修理 とらの巻』は、口絵のカラー写真や単純明快なイラストのおかげでとても読みやすいのです。
  
新人図書館員である猫のとらみちゃんが、溜まっていくばかりの修理本をなんとかしたいと思うところから始まり、本の構造やどのように修理するかを少しずつ学んでいくという物語仕立てになっています。
  
内容はかなり絞り込んであり、実践編では破れたり外れたページの補修と背表紙の修理、ノドの破れ、バラバラになった無線綴じの修理など、よく目にする壊れ方に特化した印象。あとは濡れてしまった時の対処法。
  
私的にはクータを入れた背表紙の補修について分かりやすく紹介されているのがかなり高ポイント。
  
用意する道具や材料も必要最小限なものなので、自分で修理してみようかと思ったときに背中を押してくれる頼もしさがあります。
  

そんないかにも初心者向けという雰囲気のこの本ですが、その基本となる考えはきちんとわかりやすく書かれていてそのスタンスは他の難しそうな本と同じ。
  
『紙の本をいかにして後世に残していくか』ということを大切にしているので、可逆性を損なう(元の状態に戻せない)ようなボンド(化学糊)やページヘルパーなどの補修用テープは使わないという立場です。
  
何年かで入れ替えてしまうような本のお手軽修理方法ばかり探していた私は、『こんな初心者向けっぽい本なのに、和紙と100%でんぷん糊を使った方法しか書いてないの〜?』と思ってしまったのですが、むしろ初心者だからこそ基本をしっかり頭に入れておく、というのは大事なことなんですね。

  
ボンドやページヘルパーを使うような簡易的な方法は、インターネットでも結構紹介されているのでそちらを参考にするとしても、『これどうしよう?』と思った時に立ち返るスタンスを示してくれているという点でとても頼りになる一冊だと思います。

  
  
  

ちなみにこちらの本は、NPO法人書物の歴史と保存修復に関する研究会という団体がwebに公開している書物の修理保存についてのコンテンツを書籍化したもののようです。
  
こちらのサイトには、『図書の修理 とらの巻』で説明されている技法の手元写真がカラーで載っていたり、そのほかにもモノとしての『本』についてのコンテンツが豊富でとっても参考になります。
  
  
今回の書籍化にあたっては、クラウドファウンディングで資金を募ったそうです。
『大切な本を未来に残す。傷んだ本の修理技法書を作ります!』
  
50万円の目標額に対して集まったのが100万円以上という素晴らしさ!既に終わっていますが、知っていたら私も参加したかったなあ。
  
賛同者へのお礼が『古い技法を使った革表紙の手作りミニノート』や『修理法講座にご招待』というのも心憎いアイディアです。

  
  
  

今年も『本のお医者さん』に教えを請うてきます。

小学校の図書室にある本を見ていると、図書館の本とは傷み方が異なることに気付きました。
  
図書館の本でよく見かけるのは、ページが外れているものとか、ノドのところでパックリと割れてしまったりというもの。
  

一方小学校の本では、下の写真のように背の上部がべりべり〜と裂けてしまっているものがとても多いです。
 
↓ 背が壊れて一部消失しています。 

  
聞くところによると、図書館の本は外側がフィルムコーティングされているので背が裂けるような壊れ方はしないのだそう。言われてみれば小学校の本はフィルムが貼られていません。背の上部というのは、本を取り出す時に指をかけることが多く大きな力がかかるために、フィルムで補強されていないと壊れやすいというわけ。
  
その他にも、絵本では綴じ糸が切れたり緩んでいたり、また綴じ糸のところで紙が破けたりで、ページ全体がぐらぐらになってるパターンが目につきます。
 
↓ 糸が切れて本体と中身がバラバラ。

 
↓ 中身がバックリと割れています。

 
 
壊れ出したら早めに直すのが長持ちさせる秘訣なんだそうです。それに『割れ窓の法則』で、傷んだ本がそのままになっているのでは子どもたちの本の扱い方も乱暴になってしまうに違いありません。
  
やっぱり壊れた本はできるだけ直さねば….と思うのです。

  

そんなわけで、今年も行われるこの修理体験のイベントに参加してこようと思っています。

  
昨年初めて参加してみた『本のお医者さん』という県立図書館のイベントです。
  

昨年は『こんなボロボロのもの持って行って大丈夫かしら….?』と思いながら小学校の壊れた本を持ち込んだのですが、きれいに直ったことにとても感激して帰ってきたのでした。

  
図書館の修理ボランティアの方に材料のことなども教えていただきながら、破れたところを専用のテープで貼ったり外れたページを元に戻したりという作業はなんとかできそうという感触。一方壊れた絵本については表紙と中身をバラバラにして糸で綴じ直すという大掛かりな方法で、自力でやろうなんて想像もできない作業でした。
  
 
今年から図書室のボランティアに入るようになり、小さな破れやページのはずれなどはその時の記憶を思い起こしたり図書修理の本を読んだりしながら、ちょっとずつ補修するようにしてきましたが、やはり背が壊れたり糸の緩んだ本の多さは予想以上で、これらを直せるようにならないとダメだよねえ…という気持ちをいつも持っていました。
  
ですから今回は、帰ってきてから自分で同じ作業ができるようにちゃんと覚えてこようと思っています。