『勉強する主婦』カテゴリにメイン登録しております。すっかり『勉強していない主婦』状態の記事ばかり書いているので、久しぶりにレポートの記録を。
昨年書いた『図書館サービス概論』のレポートです。(既に返却済・終了試験合格済)
通信で司書資格をとろうとしている方は世の中に結構な数いらっしゃるようで、素晴らしいポートをアップしていらっしゃる方も。
近大の方がほとんどで聖徳の方のレポートを目にしたことはありませんが、自分がレポートに取り組むときは参考にさせてもらうことが多いです。
学校が違うと(というか先生が違うと?)設題も若干異なりますが、同じ科目ですからポイントはほとんど同じ。何を大事に取り扱うのかやポイントになる事柄への視点、言葉の使い方など、やはり共通するものがあります。
自分が利用させていただくだけの側では申し訳ないのでお粗末ですが以下公開。
多少なりとも頑張る同志の参考になれば幸いです。
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【第1課題】 公共図書館での貸出サービスはなぜ重要であるかについて述べなさい。
【はじめに】
図書館を利用する市民ににとって、本を借りるという行為は当たり前のことであり、図書館=貸出と言っても過言ではないほど基本的サービスと認識されている。公共図書館において貸出がなぜ重要であるのか、利用者側とサービス提供側、両方からの視点で以下に述べる。
【本文】
1)利用者にとっての貸出の重要性
利用者が貸出を必要とする最大の理由は、時間と場の制約を受けずに資料を利用したいというものである。多くの人々にとり、本を一冊読み終えるだけの時間を連続して図書館で過ごすのは現実的でない。通勤通学の車内、職場の昼休み、帰宅後のリビング、幼い子どもならば就寝前のよみきかせというように本を読む時間と場所は多様である。プライバシーの面でも、図書館での閲覧は他人の目が気になるとか職員への複写依頼は気が進まないという利用者も多いはずである。
また、特に幼い子どもの場合『借りる』という行為そのものが読書欲を育むと感じることがある。「今日は◯冊しか借りられないの、また今度ね」と親に諭されている子の落胆ぶり、「私たくさん借りるの!」と絵本を抱る表情は、たとえ一時的であっても『自分のもの』として家に持ち帰る楽しみが、そのまま本を読む楽しみに直結していると感じさせる。また、色褪せや傷みの度合いとともに手にとられなくなることも、『所有』の楽しみと本を読む楽しみがリンクしていること物語っているのではないだろうか。仮に貸出サービスがなかったとして、読みたい本を全て書店で購入する人々は金銭的も収納空間的の点からも少数派であろうし、館内閲覧に限られた図書館を利用する市民の数もそう多くはないと想像できる。つまり貸出サービスがあるからこそ、人々は図書館に足を運び多くの本を手にとるのである。
一方、入院患者や施設入所者、刑務所収容者のように外出が制限される人々にとって、図書館の貸出サービス(施設への団体貸出という形であっても)は社会とつながるための大切な窓口である。物理的に外出が難しい人々(障害者も含む)は、テレビやラジオなどメディアが切り取った情報を受取るだけになりがちであり、このような人々に社会の多角的な情報や適切に選書された文学作品を自ら選択する自由を保障するためにも、図書館からの貸出は重要な意味を持っている。
2)サービス提供側にとっての貸出の重要性
サービスを提供する図書館側にとっても、貸出は単に資料を手渡すだけでなく利用者とコミュニケーションを図る好機である。借出される資料を毎日観察することで利用者が求めているもの知り、カウンターでの会話が読書案内やレファレンスサービスにつながる。さらにそこから新たな本の要求が人々の中に喚起され、職員の選書や保存に対する意識向上を促す。つまり貸出があるからこそ、様々な図書館サービスの輪が廻るのである。
【おわりに】
時間・場所・管理・使い方を制約されず自由に資料を利用できることは読書への意欲を刺激する。図書館の貸出サービスは市民の本を読む楽しみや知識欲の充足にダイレクトにつながっているのである。また生活上の物理的な制約により情報へのアクセスが難しい人々にとっては、社会と繋がる重要な窓口となり得る。
図書館側にとっても利用者の要求を知り、種々のサービスを向上させるための重要な役割を持っている。
無料貸本屋と揶揄されたり、新刊書の貸出に対して厳しい意見もある昨今だが、貸出は図書館の重要なサービスとしての認識を持つと同時に、市民に対してもその意義を伝えていくべきであると考える。
以上
【講評】評価:A
よくまとめてあります。貸出サービスを利用する人のために、予約サービス、リクエストサービス等も行われ、互いの信頼を築く上でも大切なサービスの一つです。
(講評に興味のある方は、【講評】の下の数行をマウスでドラッグしてハイライトさせて下さい。)
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