先日はサブスク(サブスクリプションサービス)ってどうなんだろ..? という私の揺れる胸のウチを書きました。
グリコ様からもコメントをいただき再びつらつら考えてみたけれど、結局のところ人それぞれで正解なんてないんだわ。メリットデメリットを考えて、その対価として『自分が』納得できればいいだけのことなんだって落ち着きました。
そんなわけで、音楽に関しては絶賛サブスク派となっている私ですが、先日のエントリーでも触れた山下達郎さんのこちらのインタビューとそれに対する膨大な量のコメントを読んで感じたモロモロを吐露してみたいと思います。
ちなみに私が『サブスク』または『音楽配信サービス』と言っているのはほぼSpotifyのことを念頭に置いています、というか他のサービスは使ったことがないので良く知りません。悪しからず。
山下達郎さん、6/22に久々の新譜が出るということで雑誌の特集やNHK-FM『今日は一日”山下達郎”三昧2022』など、集中的にメディアに露出されているようで、この記事もyahooニュースのオリジナル特集記事。
インタビュアーの力量もあってか、達郎さんの音楽への姿勢や若かりし頃の胸の内などがとてもよく伝わってくる秀逸な内容でした。
しかし!このtwitterのタイトルってどうなのよ。インタビューではちらりとしか触れられていないのにこの釣りかと思うようなタイトルのおかげで、コメント欄はサブスクの是非で喧々諤々。
私もすっかりそれに引きずられて、その記事を読んでから頭の中がまたもやぐるぐるしています。
デジタルで1曲づつDL購入できるようにしたのはAppleが最初だったと思うのだけれど、日本でそのサービスが始まった頃は参加しないアーティストも多く、「そういう人もいるよね、聴く方にとっては残念だけど」くらいの気持ちでいました。
それから20年近くが経ち、オンラインで音楽を楽しめるサービスはインフラと言っても良いほどに普及している今、販売はしても定額での聴き放題サービス(サブスク)には頑なに「提供しない」というポリシーを通している達郎さんの発言には考えさせられるものがあります。
さて、この長いインタビューの中で達郎さんが『サブスク解禁』に触れているのは次の短い言葉のみ。
「だって、表現に携わっていない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってるんだもの。それはマーケットとしての勝利で、音楽的な勝利と関係ない。本来、音楽はそういうことを考えないで作らなきゃいけないのに」
この言葉の意味するものが私にはよくわからないのですよ。
『表現に携わっていない人間が自由に曲をばらまいて、そのもうけを取ってる』っていうのは、プラットホーム提供者とアーティストの収益配分の問題を言っているのでしょうが真意がよくわからない。
これだけ影響力のある人が発言するなら、もう少し具体的に説明して欲しい。サービスの仕組みのどこが問題で自分のポリシーの何とコンフリクトするのか。特に首を長くして『解禁』を望んでいるファンはそこ知りたいと思うんだよね。
私は彼のコアなファンというわけではないけれど、今回の新譜はCDで買っても良いかな…と思うくらいの聴き手ではありますしDLで購入したアルバムもあったりします。
ちなみに達郎さん、自分の楽曲は提供していないけれど利用はしているとインタビューの中でもおっしゃっているので、配信サービスそのものを否定してはいないのだよね。むしろ若者にはSpotify使ってどんどん音楽に触れろ、みたいなことをすすめてもいるそうなのでそのメリットには共感しているのだと思います。
なのに「プラットフォームの仕組みが気に入らない」から提供しないのは納得できないの。
海外の若者が『日本のヤマシタって素晴らしいアーティストがいるそうだよ、聴いてみたい!』って思った時に、配信に提供されていなとなれば、どこぞの輩がYoutubeにアップした違法動画を聴くんだよね。それは悔しいじゃない?。
世界中で聴かれなくても構わない、ライブに来てくれたりCDを買ってくれるようなファンに聴いてもらえれば良い、ということなのだとしたらそれもそれで寂しいよ。
ところで、ヤフコメを読んでいると「サブスクで音楽を聴く」=「無料で聴き放題」だという認識をしている人が一定数いることで、「配信で音楽を聴く」という行為の話がこんがらがっているような気がするのも残念。
「サブスクリプションサービス」は定額料金を払うということなので、無料で利用している場合は「音楽をサブスクで聴いている」とは言わないはず。そこがごっちゃになっていると思われる人が、サブスク推進派の人を批判していたりして何だか噛み合わないよね。
有料サービスならちゃんとアルバム単位で聞けるのに「ランダムなリストの中に入っているのをバラバラに聴くなんてアーティストへのリスペクトがないからサブスクはよくない」系の意見とかね、この「サブスク解禁一生しない」タイトルに刺激されたのか、達郎さんへの共感がそのままアンチサブスクコメントになっているところも何だかなあ..って感じ。
インタビューの内容全体が素晴らしいのに、このサブスク問題がやけにフューチャーされてしまって残念ね。
この件について、こちらの方の考えに「なるほど」と思わされました。
そういう解釈に納得もする一方で、やはり私は達郎さんには楽曲提供してほしいと思っています。収益構造に問題があるというのであれば、ぜひ世界中のアーティストと共により良い方法へ向かうようアクションしてほしいです。
Spotifyのおかげで平成生まれの我が家の子供達が昭和のポップスを楽しんでいるのを見ると、本当に素晴らしいサービスだなあと思うの。
「あの時こんな歌が流行ってたんだよ〜」っていう親の思い出の曲を、違法なアップロードではなく対価を払った形でパッと探してアクセスして楽しめるなんて画期的だもの。
CD買ってPCから取り込んだりDLしたデータをスマホに入れて持ち歩こうとすると容量がいくらあっても足りないし、もうモノを増やしたくないと思っている人間には大変ありがたい。
それに、時代・国・ジャンルを超えて自分の知らなかった音楽に出会える楽しさや、いつでもどこでも好きな音楽を聴ける便利さはもう手放せないです。
賛否両論のサービスではありますが、是非ともアーティストにもリスナーにもハッピーな形に発展していってもらいたいものです。
何だか、今日も長い割にはまとまりのない内容になってしまいました。すみません…。
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