自分の確定申告事情です。
先月から始めたFP3級の勉強の中で、株式等の所得に関する課税を扱う項目があり、自分の確定申告作業がちょうど良いケーススタディになりました。
仕組みがちっとも理解できていなかった私の気づきを逐次記録中です。
思い違いや理解不足だらけなので情報を求めてこのページにたどり着いた方は絶対に参考になさらないようにお願いします。
株式等の配当の課税方式には【総合課税】【申告分離課税】があることを知り、「損益通算」と「配当控除」は両立できない、という知識を得た話はこちら。
あらかじめ証券会社への届け出た設定に左右されるのか!?などと、頭がこんがらがった状態で見つけた国税庁の資料から「その年の状況に応じて申告時に選択すればよい」と知った経緯がこちら。
それぞれの課税方法を選択した場合の「所得税及び復興特別所得税額」(国税)については、全ての所得金額などを入力後、確認することができますので、配当所得の課税方法を変更するなどして、いずれの課税方法を選択するか決定してください。
という国税庁様のアドバイスどおりに【総合課税】【申告分離課税】の両方試してみたよ。
結果的には【総合課税】がお得でした。
以下ケーススタディ的に記録しておきます。
収入や配当などはあくまでサンプルとしての金額です。自分がわかりやすい数字に置き換え、復興所得税も数字がが細かくなるので無視しています。
収入・譲渡損益・株式配当の内容
イ)給与所得・雑所得:合計150万円
ロ)SBI証券の特定口座(源泉徴収口座)・・・譲渡損益:-40,000円 配当:100,000円 (損益通算後+60,000円)
ハ)某ファンドの特定口座(源泉徴収口座)・・・譲渡損益:+50,000円
ニ)各種控除として給与所得控除・ideco含む社会保険控除・基礎控除など120万円
【申告分離課税】の場合
<累進課税部分>
イ)から控除分(120万円)差し引いた300,000円に5%課税=15,000円
<分離課税部分>
ロ)ハ)の合計額110,000円に15%(住民税除く)課税=16,500円
15,000円+16,500円=31,500円
これがそのまま所得税の額になります。
【総合課税】の場合
<累進課税部分>
イ)の給与所得等+ロ)の配当100,000円=160万円から控除分(120万円)を差し引いた400,000円に5%課税=20,000円
<分離課税部分>
ハ)の譲渡損益:+50,000円に15%(住民税除く)課税=7,500円
20,000円+7,500円=27,500円
さらにここから配当100,000円の10%が配当控除として差し引かれるので
所得税は27,500円-10,000円=17,500円となります。
両方のケースで申告書を仕上げるうちに気づいたことは、ロ)の配当所得100,000円を税率の低い(このケースだと5%)累進課税適用の総合課税に計上すると、その特定口座の譲渡損は無視するしかないということ。(これが「総合課税では損益通算できない」ってことなんだね)
ロ)とハ)の譲渡損益同士で通算すれば10,000円x15%(住民税除く)で済むはずでは・・・?と思ったのですが、ロ)の損失を計上したら同じ特定口座内の配当所得100,000円も分離課税側に計上しなくてはならないルール。つまり配当所得も「申告分離課税」になってしまう。
これ、手計算アナログにやっていたら気がつかなかったかも。作成コーナー利用なら間違った入力をするとエラーが出るので気づくことができました。
ロ)の特定口座については、譲渡損を計上せずに100,000円の配当所得を総合課税にして税率の低い(5%)累進側の恩恵を享受。
ハ)の口座に関しては、譲渡益が出ているのでルール通り税率15%(住民税除く)の譲渡所得です。
今回は結果的に【総合課税】に軍配が上がりましたが、その年によって給与所得や雑所得、譲渡損益の状況、配当所得額などパラメーターがいくつもあるので、両方の課税方法で計算してみないとわからないということがよーーーーくわかりました。
源泉徴収された税額は特定口座ごとに入力。給与所得や雑所得もそれぞれに対応して入力欄が用意されています。最終的に自動計算された合計額が所定の欄に転記され、払うべき所得税額から差し引かれます。
収入が少ないので、ちょっとした収入のたびに20%源泉徴収されるのは明らかに納め過ぎとわかっているワタクシ。今回も苦労の甲斐あって5万円近く還付されることになりました。
配当や譲渡所得に関する申告作業に初めてチャンレンジしたわけですが、最大のポイントはこの部分でした。
◆源泉徴収口座における留意点◆
○源泉徴収口座における上場株式等の譲渡による所得又はその源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得等を申告するかどうかは口座ごとに選択できます。
○源泉徴収口座における上場株式等の譲渡による所得とその源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得等のいずれかのみを申告することができますただし、源泉徴収口座における上場株式等を譲渡したことにより生じた譲渡損失の金額を申告する場合には、その源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に係る配当所得等も併せて申告しなければなりません。
【個人の方が上場株式等を保有・譲渡した場合の金融・証券税制について(pdf)】「5.特定口座制度」より
【申告分離課税】か【総合課税】を選択できるのは配当所得のみだということをわかっていなかったのが混乱の原因だったと最後に気づきました。
株式や投資信託の売却した時に生じる譲渡所得は所得総額に関わらず一律20%(15%+5%)の分離課税。そして【分離課税】というのは課税方式を示す言葉。【申告分離課税制度】や【源泉分離課税制度】というのは分離課税方式のなかの仕組みのひとつだということ。
多分、これでようやく正確に理解できたはず(だと思いたい…)。
一応来年のために記録してみたのだけど、1年後にこれを読んで理解できるかな、自分。
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