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〇〇は何の役に立つのか。



【数学ガール】の著者である結城浩さんのnoteに素敵な文章があったのでメモ。

「〇〇は何の役に立つのか」という疑問をときどき見かける。純粋な疑問の場合もあれば、非難の意味を込めた場合もある。 ところで、イノベーションを起こす人というのは、「〇〇は何の役に立つのか」の答えを、誰よりも早く見つける人のことではないだろうか。 ○○が何の役に立つのか。○○をどう使えばおもしろいことが起きるのか。それ...

「仕事の心がけ」というサブタイトルですが、私は人生の大きな流れを思いながら読みました。

「あなたが自分の武器をとって戦うときが来ました」

そのときに自分が持っている武器を試されることになる。

学校が与えられた。あなたは学んだか。書店や図書館が与えられた。あなたは読んだか。友人や家族が与えられた。あなたは語ったか。時間が与えられた。あなたは考えたか。祈ったか。蓄えたか。力をつけたか。整えたか。



学生の間はほぼほぼ敷かれたレールの上を歩きバブルの真っ只中に社会人となった35年前の私。自信があったわけではないけれど、なんとでもなるさとノーテンキだった自分の武器の貧弱さに直面した日々でした。

別の場所で試すとどうなんだろ? なんてことを考えて行動に移してみてもやっぱり歯が立たなかったけど、その時の経験が今の自分の基礎になっているなあ…と思ったりもします。


その後、戦いの場が変わったり家族という名のちっちゃいチームを整えたり。若い頃手にした古い武器が直接役に立つことなんてことはなく、気がついたら数十年が経ってしまいました。

その間に強力な武器を手に入れることはなかったけれど、「経験」という小さな道具はちょこちょこと集めていたかもしれません。


人生の答え合わせの時期に入った今、グッと刺さったこのフレーズ。

自分のリアルを認め、現状を理解し、こわいながらもぐっと足を踏みしめたとき、ようやく「○○は何の役に立つのか」という質問が持つ意味を知るのかもしれない。





「自分のリアル」に正直に目を向けるってホントつらいけど、若いうち(できれば20代)に一度は経験するべきと思うの。そこからまた新たな武器を手に入れたり古いものを磨き直したりできるから。


おばちゃんの繰り言かもしれないけど、どんな武器でもとりあえずはポッケに入れておいたほうが良いよ、と若者には伝えたい。その時は役に立ちそうに思えなくてもね。


その武器を取り出すことは一生ないかもしれないけれど、手にする過程で得た経験値の積み上げは有益。


そのことに気がつくのはずっとずっと先かもしれないし自分で意識することさえないかもだけどきっと栄養になっているはずだから。




結城浩さんのwebサイト

書籍『数学ガール』作者、結城浩の個人サイト。数学、プログラミング、文章書きに関する情報と、気軽な読み物。

note
本を書く生活が30年、著書は60冊を越えました。『数学ガール』『プログラマの数学』『暗号技術入門』『数学文章作法』『Java言語で学ぶデザインパターン入門』他。2014年度日本数学会出版賞受賞。応援感謝!

インターネット黎明期に作成された旧サイトはweb.archive.orgで閲覧可能。





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