1965年生まれ女性の無子率が約20%、1670年生まれでは27%という驚愕の数字をきっかけに動き出した 日経新聞の特集から加筆修正して書籍化されたもの。
生涯無子率とは50歳以上で子供をもたない人の割合ってことらしい。
最新のデータでは1975生まれで28%だそうです。3割近いのね。OECD諸国の中での日本の突出具合も凄まじい。
経済協力開発機構(OECD)は20日、1975年生まれで子どものいない女性が日本では28.3%と、比較可能な26カ国で最多だったとする報告書をまとめた。55年生まれで子どもがいない女性の割合と比べて16.4ポイント上昇しており、日本の増加幅が最も大きかった。OECDの報告書は「出生率の維持にはジェンダー平等や仕事と育児...
「少子化」と「無子化」の切り分け、ざっくり上から眺めたイメージではなくて女性たちの声を上手に拾い上げての考察など、公的機関の調査データを引用しながらの論点整理がすっきりしていて、人口減少について考えるベースとして指針を与えてくれる1冊だと感じました。
私自身、女性の高学歴化が急速に進み男女雇用機会均等法が始まった時代に結婚・出産適齢期を通ってきたので、女性たちの人生選択の難しさの事例にはうなずくことばかり。
無子の歴史や無子化によって生じる社会的な課題なども データを示してバランスよく取り上げられていて、「無子・少子化=困った問題」という固定観念なしに、幅広い視点で考察されています。
特に「自発的無子か非自発的無子か」という視点。これははっきり区別できるものではなく、年齢や仕事のステージに気持ちが変化するもの。
子供を持つか持たないかなんて、はじめからはっきりと選択している女性はほとんどいないはず(そこも上手に数字で示してくれています)。なのに 日本の出生数は急激に減り続けているというのは事実。
これといった大きな問題があるわけでなく、ふわっとした小さなネガティブ要因の積み重ねが「将来への悲観、変わらぬ日本への諦め」という灰色の雲になって覆いかぶさっているのですから 解決するのは難易度高いです。そもそも解決すべき問題なのかどうかもよくわかりません。
そういえば、私が高校3年生で同じクラスだった女子10人のうち2人は子供を持っていません。ちょうど1965年生まれの無子率20%にドンピシャリ。
同窓会とかに頻繁に出るタイプではないので 限られた情報ではありますが、独身・子供なしの友人たちのほとんどはがっつり仕事中心で生きている様子。
自分たちはもう望んでも産める年齢ではありませんが、子どもたち世代が現在結婚・出産の年齢を迎えているところ。なんというか..、親世代が選択した人生の答え合わせを見ているようなところもあって いろいろなケースを前に考えさせられることが多いです。
我が家のムスメたちの考えを聞くと、まさにこの本に出てくる女性たちの声そのもの。
子育てがいかに大変でお金がかかって自分の生活を犠牲にしなくてはならないか、それほどの犠牲を払いつつ世間から「子持ち様」だの「贅沢な勝ち組」など否定的な視線を投げかけられる。
そんな「子育て大変」のイメージが強すぎて「子どもを持つ気持ちなんかわかないよ〜、何にもメリットないじゃん。もちろん いたらいたで楽しいこともあるんだろうけど..」と。
このテーマは 要因が多岐にわたりすぎて何からどう考えたら良いのかわからないけれど、まずは「無子化する社会」というものを性別年齢問わず多くの人が考えてみるべきよね..と思う次第。
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