先日読んだ酒井順子さんのエッセイ
社会現象にもなった「負け犬の遠吠え」から20年。同世代の女性のエッセイの面白さは格別です。
..が、最新作はその分析とツッコミに「そうそう!さすがわかってらっしゃる!」と共感する部分は多々あるものの、なんだか爽快さがない。
今の世の中の「気分」の分析は鋭くて面白いのだけれど、そこを指摘するとどこから刺されるかわからない昨今の空気を上手に読んで炎上対策しているような印象で、あの爽快感を期待して読んだ私は不完全燃焼。
まあ学者さんでもないし、そもそもエッセイだから仕方がないのだけれどね。
….なーんて思いながら酒井さんのことをググっていたら偶然こちらの書評が目に入りました。
上野センセイはどう読んだのかしら?と思いながらクリックしてみると、
酒井さんは辛辣な社会観察者だが、同時に変化をありのままに受け容れて、しれっと肯定するしたたかさも持っている。
ああ、なるほど。辛辣な観察眼を持って入るけれど、変化を否定・批判するのでなくしれっと肯定するしたたかさね。
自分を省みても、今の社会のあれこれを自分なりに分析し批判的気持ちがガーッと湧いたりしつつも「まあ、そんなものか…」と、肯定とはいかずともなんとなく受け入れて自分を合わせてみたりしちゃう感覚。
ああ、わかりみ。
酒井さんとは年齢がひとつしか違わないので、彼女の話はどれもこれもわかりすぎるくらいわかるのよ。あの頃の空気感、女性たちが感じていたあれやこれや。そして今の若い世代に感じる違和感やら共感やら。
ところで、この上野千鶴子さんの書評がきっかけでこのようなサイトがあることを知りました。
多くの新聞社・出版社・出版取次・書店が参加する、新潮社主催の「本の総合サイト」だそう。
オンライン購入用のボタンも、老舗取次店トーハンが手がける「e-hon」や紀伊国屋書店はもちろん、楽天ブックス、TUTAYAオンライン、さらには黒船であるAmazonまで、メジャーなネット書店はすべて網羅されています。
昨今の出版不況というか本離れへの危機感でしょうかね。多くの人に本を手に取ってもらいたい!という意気込みを感じます。購入ボタンの一番上にAmazonを配さざるを得ないというのが、なんとも皮肉ですが…。
この書評の森に足を踏み込んだら最後、時間がどんどん溶けていく…。
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