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本を読むことは子どもにとってなぜ必要か【読書メモ】



『本を読むということは、いったいなぜ必要なのか』


いつも心のどこかに引っかかっているこの疑問に、とても気持ちのよい回答を与えてくれる一冊でした。

実は、よみきかせボランティアの仲間を募っているときに、『本を読むと勉強ができるようになるからいいのかもしれないけど、よみきかせって何がいいの?』と聞かれ言葉に詰まってしまった経験があります。その言葉の裏側に『ヨミキカセヨミキカセッテ、ナニガイイワケ?イミワカンナ〜イ』という気持ちが透けて見えたショックで、とっさに返す言葉が見つりませんでした。

『おもしろいから』という答えでは、読まない人には全く伝わないし、『ためになる』とか『国語力の向上』という即効薬的なものでない『何か』なんです。

いろいろと思うところはあるのだけれど、ふわふわとつかみどころがなくて人様に説明するような言葉にはならない『何か』。


そんなもやもやとしている私の気持ちに、著者のことばがスパスパッと降りかかってきます。

著者がたどりついたという考えが全編に渡って多角的に述べられているのですが、全てを読み終えるとそれらがひとつにまとまってストーンと直球で身体の中に入ってきてとても爽快な読後感です。

久々に、手元に置いて何度も読み返したい本に出会いました。親も含めてこどもと関わる大人たち必読の一冊だと思います。