経済・教育格差の固定化は、高校・大学の費用無償化で解決する話ではないと常々感じています。
学業優秀で進学したいのに、経済的な理由で進学をあきらめている子どもにとってはもちろん良いのですが、格差連鎖の理由はそこじゃないと思っているからです。
そもそも教育的な家庭環境にないとか親が教育に無関心である場合、こどもは大学進学なんて考えませんから。
高校くらいは出ておかなくちゃね..とは思っても、『勉強嫌いだし』とか『大学行って何の意味があるの?』。
恵まれた家庭というのは、お金だけで計れないものをたくさん子どもに与えることができます。さまざまな経験、チャレンジする気持ち、何かを達成する喜び、希望。広い視野や多角的な視点なども、家庭の経済状況とかなり相関があるのではないでしょうか。
塾や私立校に通わせるだけではない、広い意味での勉強につながる様々なものが与えられるわけです。もちろんこれは学力にも直結するはず。
目には見えないけれど大切なものを存分に子どもに与えるにはやはり経済的なゆとりが必要。
なぜこんなことを考えるかというと、我家がそれで大変苦労しているから。
子ども達にはいろいろなことにチャレンジさせたいし将来に希望を持って勉強をして欲しい。そのために何が必要かはよく分かっているけれど、経済的に(貧乏暇なしということも含めて)も環境的にも本当に難しい。
10代の時点で『自分の将来なんて所詮こんなもの』という感覚がある。親の暮らしぶりや、住んでいる地域の雰囲気からしかイメージできないわけですから仕方ないのですけど、そのために勉強や進学のモチベーションを持てないということが、親としては悲しい。
有名私立中や難関大学の学生が所得の高い家庭の子弟だというのは、単に高額な授業料や塾に行けるかという問題だけではないんです。
難関と言われる大学の授業料を一律に無償にしたところで、今と状況はたいして変わらないはず。それどころか、富裕層がますます得をすることになりかねません。
教育の格差を埋めるのはそう単純にはいかない。
ましてや、国の政策を作っている方々はお金で計れないものをたっぷり享受してきたエリートたちですから、なかなかその感覚は分からないだろうなあ…。
ちょうどそんな記事を立て続けに見つけたのでリンクしておきます。
貧乏な家の子どもがお金持ちになれない本当の理由と「思考格差」の正体=午堂登紀雄
「どうせ俺は負け組だから」 教育、格差是正のはずが…
デジタル朝日のこの記事、2018.10現在リンク切れです。web魚拓とっておけば良かったなあ、いい記事だったのに。
2020.8.5現在、また見られるようになっていますが有料会員限定。掲載当時は登録会員なら読めたのに、残念。
ご興味のある方はお近くの図書館で過去の新聞をご利用なさってみて下さい。どこの図書館でもスタッフさんに言えばすぐに出してもらえますしコピーも可能なはずです。
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コメント
LEEちゃんこんにちは。
最近時間がなくて、LEEちゃんのブログまとめ読みしましたが、教育関連の話題が多いですね。なんだかとても共感しました。
結局子供の進路って親の人生観が大きく子供に影響している感じがします。
一概に言えませんが、狭い価値観の親は思考が単純で世の中の情報に流されたりもすると思うのです。
うちは田舎だからなおさらのことそう思いますが、例えばうちは、よそから移住してきてテレビに出たりなんかしていると、お金持ちだと勘違いしている人が多くいます。
「だから大学に行けるんだ、大学行ったって今の時代何の役にも立たないし、うちはお金ないし・・・」とかいろいろ言っていることがあります。
私はよく母親から「子供の教育は親が食べられなくてもしないとダメだっておじいちゃんに言われた」と良く聞かされていたし、うちのような、人と変わった生き方をしていて、
結局子供も教育させられなかったということで、後悔したくないんです。だから下の子もなんとか行かせたいと思っています。でも現実は、土地を買ったということもありますが奨学金や教育ローン、春夏のバイト代で何とかここまで来れたという感じなのです。だから決して楽だから行かせられる、苦しいから行かせられないというのではなく、苦しくても工夫をして、そこにお金を使うという価値観からです。最終的にはもしかしたら、そうやってなんとか苦労して行かせたことが結果的に良い教育になるかもしれないと、都合の良いように考えていますが・・ですから私としては奨学制度をもっと充実した内容で選択できるようになればよいかなと思っています。
今国で、返済なしの奨学金も考え中のようですが、早く実現してほしいな~
もう少し頑張りましょう!
ふたばちゃん、こんにちは〜!
たしかに教育関連は多いかも。今のところ一番の関心事だからね。
田舎に引っ越して来た時は、子どもの教育については親次第でなんとでもできると信じていたところがあるのだけれど、時が経つにつれて、親の価値観や影響力だけではどうにもならないことがたくさんあるんだなあ…と痛切に感じるの。
大学については、本人よりも親の方が行かせたいと思っているって感じかな。学歴という単純なものだけでなく、高校や専門学校だけでは得られないものってあるからね。
上の子は自分から行きたがったわけではないけれど、今では大学へ行くことの意味を理解しているようだよ。彼女は高校までのような覚えること中心の勉強は苦手なんだけど、哲学や宗教、社会学的なことを考えるのが昔から好きだから、大学はなかなか面白いみたいでこちらもほっとしています。
最近では親の私達が興味を引かれるような話をたくさんしてくれるので、こちらも勉強になることが多くて楽しいよ。少しは広い考え方が出来るようになったのだとしたら、苦労して授業料を払っている甲斐もあるというものだね。
下の子もなんとか頑張ってもらいたい。親の方もあと10年は頑張らないといけないけどね。
返済不要の奨学金か〜、親の所得重視でお願いしたいところだわ。