なかなか本を読めない今日この頃。
それでも、ちょっと読んではぐるぐるぐるぐる考え、また少し読んではぐるぐるぐるぐる思いをめぐらせ、と少しずつ読み進めた何冊かの記録です。
『教養』に対する自分のもやもやした感覚。
いわゆる「教養」は何も持たない人が上昇するために努力して得る『獲得資本』であり、生まれながらにして『相続資本』を持っている人にとっては無縁なのだという視点で捉えることでとてもスッキリしました。
以前に書いた教育格差は思考や経験の格差とも絡んでくると思うのですが、かつては個人の努力で獲得できた『獲得資本』さえ今や『相続資本』となりつつあるのではないかしらね。
タイムリーに昨日のデジタル朝日でこんな記事をみつけました。
教育格差「当然」「やむをえない」6割超 保護者に調査
教育格差、「容認」の考えを持つのはどんな保護者?
「所得の多い家庭の子どものほうが、よりよい教育を受けられる傾向」について「当然だ」「やむをえない」「問題だ」の3択で尋ねたところ、容認派が増加しており今回6割を超えたというもの。
「特に、高学歴で、経済的ゆとりがあり、都市部に住む保護者ほどその傾向が強い」というのも想像に難くありません。
経済力も相続資本も持たない人間でも、努力して広く教養を獲得することで社会的上昇が可能というのは昭和の時代で終わってしまったのかと考えさせられました。
核爆弾が開発され使用された経緯や第二次大戦後の平和利用への動きなど、現在に至る経緯を国際的な力関係と絡めて広く俯瞰的に解説してくれています。
議論のもとになる言葉の解説も随所に挟まれているし、持って回った言い方がなく平易な解説が素晴らしいです。
原子力発電や核兵器について子どもと話をしてみたくても、親の方もその歴史的経緯や言葉の正確な意味がもやもやしちゃって困ることが多いのよね。
池上さんの本はいろいろな立場からの視点で書かれているのがいいんです。
その背景や歴史的経緯を知らず雰囲気に流されて『原発反対』や『核兵器廃絶』を叫ぶ大人になって欲しくないので、是非子ども達に読んでもらいたいわ。
全く予想がつかない今後の社会を生きていくための覚悟と言うか心の準備を迫られている世代が読むのにぴったりね。
自分も若い時にこういう考え方が出来ていたら今頃もっと違った生き方をしていたかも…と思わされました。